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こんなに暑くて五輪開催できる? 灼熱都市「東京」を冷やす都の秘策に迫る

8/20(火) 7:02配信

アーバン ライフ メトロ

都市の緑化は「一挙両得」の政策

 35度を超える猛暑日が続く中、甲子園球場では今年も高校球児たちが熱戦を繰り広げています。その一方で近年、地球温暖化やヒートアイランド現象から昼間の屋外での運動を控えるよう配慮の声が上がっています。

【写真】緑化対策は、都電荒川線の軌道内でも取り組まれている

 そうした世間の流れを受け、甲子園大会では給水タイムや休養日が設定されるようになり、もっとも気温が上がる時間帯には、試合をせずに昼休みにあてるといった措置なども講じられるようになりました。将来が有望な高校球児の身体を酷使させない心遣いは、時代の流れといえます。

 しかし2020年に開催される東京五輪は「アスリートファースト」を謳いながらも、炎天下の競技への配慮が欠けていると指摘されています。もっとも心配されているマラソン競技は、早朝スタートで対応するようです。

 また、競技者と一緒に大会を盛り上げる観戦者は、冷房設備がない灼熱のスタジアムで応援することになります。東京五輪の暑さ対策は、後手に回っていると言わざるを得ません。

 東京都や国土交通省、環境省は少しでもヒートアイランド現象を緩和しようと、これまで対策を講じてきました。緩和策のひとつとして、特に力を入れているのが「緑化」です。

 アスファルトやコンクリートで覆われている面積が広い東京は、太陽の熱がこもりやすく、それが気温を上昇させる原因となっています。緑や土を増やすことで、ヒートアイランドの緩和効果が生まれるのです。

 東京ではアスファルト舗装の道路を土へと戻すことは、道路交通の観点や砂埃による被害が出るため非現実的です。その代替案として緑化が推進されるわけですが、都市の緑化は気温を下げる以外に、副次的な効果も見込めます。そのため、一挙両得の政策として行政は積極的に緑化に取り組むようになりました。

「公開空地」という魔法のような制度

 緑化推進の初手は、なによりも緑地を拡大させることです。しかし、東京都心部は高層ビルが立ち並び、新たな公園をつくる余地が少ないのが最大の悩みとなっていました。

 公園は整備費や維持費がかかる一方、公園ができることで事務所や工場といった「税金を納めてくれる企業」が誘致できなくなります。行政にとって公園をつくる・広げることは贅沢な施策であり、「金食い虫」でもあるのです。

 公園は容易に増やせないものの、緑地は増やしたい――。そんな相反する悩みを抱える東京都に、魔法のような制度が生まれます。それが、「公開空地」と呼ばれる制度です。

 公開空地は民間の建物・敷地の一部を、誰もが使用できるように開放したオープンスペースです。民有地であるために「公」園ではありませんが、公園に準じるオープンスペースとして広く地域住民に活用されることが期待されました。

 公開空地を地域住民が使えるオープンスペースとして開放しただけでは、土地・建物の所有者は管理コスト・手間といった負担が増大するだけです。そこで、公開空地を設けると建物の「容積率」を緩和できるインセンティブを与えられました。

 容積率とは平たく言えば、建物を高くできる上限値です。容積率が緩和されれば、ビルをもっと高くできるようになります。不動産価値が高まれば、それは賃料にも反映されます。公開空地を設けることは、建物・土地の所有者にもメリットを得られるのです。

 公開空地による容積率ボーナスを想定して設計された高層ビルは、次々に誕生しています。2014年にオープンした虎ノ門ヒルズ(港区虎ノ門)は広い公開空地があり、そこには多くの緑が植栽され、ベンチが置かれています。

 現在では、近隣オフィスで働く人たちがランチタイムにやってきて、お弁当を広げたり、コーヒー片手に談笑したりする光景を目にできます。虎ノ門ヒルズを建設した森ビルは、特に緑化に力を入れていることでも知られています。

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最終更新:8/20(火) 10:21
アーバン ライフ メトロ

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