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薄中板市況、盆明け後も先安ムード。実需不振と在庫過多、需給ギャップで“売り焦り“

8/20(火) 6:02配信

鉄鋼新聞

 薄中板市況の先安懸念が、盆休み明けも根強い。市況を形成する店売り市場では足元、実需不振と在庫過多が著しく、この需給ギャップがしばらく続くとみられることから売り手の“焦り“を誘っている。流通扱い筋では販価(市況)下落を最小限にとどめるよう努力しつつ、潮目好転のきっかけを待っている。
 東京地区の薄中板市況は2016年の春先に底入れし、同じ年の秋口から再販市況が反発に転じた。以後、薄中板内需の底堅さを背景に、国内高炉大手など供給サイドの相次ぐ店売り値上げ分を売り値に転嫁しながら販価を引き上げてきた結果、市況もジリジリと上伸基調をたどる。
 冷延薄板がボトム時の6万8千円からピーク時は8万7千円に、中板が同5万6千円から8万1千円(いずれも鉄鋼新聞市況、東京地区・トン当たり安値、ベース)に、それぞれ切り上がった。
 ただ、その後の店売り先行値上げの限界や末端実需の伸び悩みに伴う需給タイト感の解消、アジア相場の頭打ち・急落などの影響で昨年から今年にかけての市況の動きは踊り場の様相を呈する。メーカーデリバリーの早まりや輸入玉の入着増による供給圧力が、一定水準を保っていた需要ボリュームを上回り、在庫増を招いた。
 市中では需給が一気に緩み、それまではメーカー値上げ分の完全転嫁に向け売り腰を崩さずに値上げのタイミングを見計らっていた流通扱い筋の気勢もトーンダウン。こう着状態の中、東京製鉄が7月契約販価を引き下げたのを機に地区薄中板市況はピーク比3千円安となっている。
 店売り主体の流通扱い筋にとって目下、強気になれない要因は「実需低迷」とそれに対する「過剰な在庫」だが、足元の“夏枯れ状態“では在庫調整も遅れ気味。
 「売れない」理由の一つには「競合先が安値で売り込み、うちが売り負けているのではないか」と疑心暗鬼を募らせ、買い手側から特段の下げ圧力が無いのに値下げに動くケースも、局地的には存在するらしい。それが「かえって買い手側を慎重にさせ、先安を暗示させてしまい小口当用買いに終始させている」との指摘もある。
 一方で「直需に直結した加工オーダーは相変わらず繁忙。設備稼働率も高く、納期に追われ、お断りする」という事例も少なくない。大口ヒモ付き価格の改定や秋口以降の実需回復への期待感もあるだけに「これ以上の底割れリスクは低いのでは」との前向きな声も一部にはある。

最終更新:8/20(火) 6:02
鉄鋼新聞

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