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ひきこもりになる4つのタイミング(2)――子どもが不登校・ひきこもりにならない/から脱出するための子育て術

8/20(火) 16:00配信

本がすき。

2019年5月。元号が平成から令和に変わり、日本中が新しい時代の幕開けに心躍らせていた矢先に起こったのが、スクールバス襲撃や元農水省幹部の長男刺殺といった「ひきこもり」に関連した凄惨な事件の数々でした。若者の不登校・ひきこもり問題に30年以上支援活動を続け、延べ1万人以上の生徒を立ち直らせてきた著者が、事例を踏まえて解決の糸口を贈る『不登校・ひきこもりの9割は治せる』(7月18日発売・光文社刊)より、経験から導き出した、ひきこもりになりやすい人生の4つのタイミングの2~4つ目をご紹介します。

◆ひきこもりタイミング(2) 高1クライシス

中1ギャップの次に来るのが、高1クライシスです。

原因として一番大きいのは、中学と高校のシステムの違いです。中学は義務教育なので、不登校になっても在籍し続けることができ、卒業もできます。

しかし高校は義務教育ではないので、たいていの学校では1年に30日以上休むと単位取得が難しくなります。すると進級できないので、留年、または退学するしかありません。

そうなると、例えばゴールデンウィーク明けから徐々に学校に行かなくなった場合、9月ごろにはもう留年が決まってしまいます。なかには留年制度がなく、即辞めなくてはならない高校もあります。

そのため、高校中退者は毎年約5万人(2017年は4万6802人)いますが、中退時期は高1が一番多いのです(単位制高校を除く)。

図表の通り、文部科学省の調査によると、2017年度の高校の不登校者数は4万9643人となっています。

ただ、中学までは義務教育なので不登校でも学校に在籍しているため、不登校(つまり、ひきこもり)の数が把握できますが、高校では退学してしまうと、その後は不登校にカウントされません。不登校からひきこもりになった人数がその年しか把握できない状態になっています。

ひきこもりが2~3年にわたる生徒もいるので、この数字以上にひきこもりになってしまった子がいるということです。

また、不登校者の40・1パーセントは前年度から継続していて、不登校者のうち留年が7・2パーセント、中退が27・3パーセントとなっています。

どちらにしても、不登校者数が4万9643人、中退者数が4万6802人ですから、不登校の生徒は、不登校になった年、またはその翌年にはほぼ中退している状態といえます。

以前の東京都では、高校は義務教育ではないので不登校は存在しない、という見解でしたが、近年は高校不登校者の多さとそのリスクの大きさから、調査をするようになりました。

文部科学省でも高校不登校者数を2004年度から調査しています。私の指導経験上、高校不登校の生徒のほとんどが中退しているのが現状に見えます。

また、高校中退の対策として、東京都では青少年リスタートプレイス(東京都教育相談センターが設置する高校中退生や中卒生、不登校状態の中学生のための就学サポート)や、チャレンジスクール(不登校の中卒生や高校中退生のための定時制高校)を設置するなどの取り組みを行っています。

チャレンジスクールは都内に5校あり、午前部・午後部・夜間部の3部からなる定時制高校です。入学試験は面接と小論文で構成されており、つまり内申書が不要で筆記試験もないため、長期欠席している不登校の生徒も合格しやすく、人気が高まっています。

4年で卒業することが基本ですが、他の部も履修することによって3年での卒業も可能となっています。ただ、3年間で卒業できる人は少なく、中退する人も多いのが実情です。

また、東京都と大阪府では高校転校制度があります。ただ、他の県ではそういった制度がないのが実情で、多くは通信制高校が実際の受け皿になっています。

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最終更新:8/20(火) 16:00
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