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看護師の夢に再挑戦、培った社会人経験を医療の現場で

8/20(火) 9:54配信

デーリー東北新聞社

 看護師以外の就労経験を積んでから専門学校や大学に入学し、看護師を志す社会人経験者が増えている。社会人経験者は社会で培ったコミュニケーション能力や責任感などの社会性を医療の現場で生かせる「地域医療の新たな担い手」として医療業界で熱視線だ。八戸学院大では過去5年間で計21人、八戸看護専門学校では計57人が入学。「あきらめてた夢に挑戦したい」「専門性を深めたい」―。介護職や救急救命士、自衛隊員、営業職や技術職といった前職を経て入学してきた社会人経験者はそれぞれが思い描く看護師像を胸に勉強や実習に励んでいる。

 厚生労働省は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年までに看護師50万人の確保が必要と試算。確保に向けて離職防止や復帰支援の強化の他、看護師を目指す社会人経験者が学びやすい環境を整えようと看護師養成所に対し、受け入れ準備や支援のための指針を示している。

 八戸看護専門学校で学ぶ3年の柴田貴紀さん(26)は介護福祉士として老人保健施設で4年間勤務した後に同校に入学。施設で一緒に勤務する看護師の姿を見てもっと専門性を深めたいと思ったのがきっかけだ。「年齢も経験もさまざまな人が一緒に勉強することで、自分が考えつかなかった発想を得られる」とメリットを感じている。介護現場での経験を生かし、将来は患者や家族が安心して生活できる在宅医療の分野で働きたいと考えている。

 「高校生の時、祖父が倒れ何もできなかった悔しさがあり、看護師を目指そうと思った」と話すのは同校3年の熊谷拓也さん(27)。家庭の事情で高校卒業後はすぐに就職し、エレベーターの整備士として4年間働いた。いったんはあきらめた看護師への道。改めて夢を目指そうと入学した。「医師や介護士などいろんな職種の人をつなげる『仲介役』として、常に患者さんに寄り添った看護師になりたい」としっかりと将来を見据えている。

 八戸学院大看護学科4年の蛯名綾香さん(26)は高校卒業後の5年間、パティシエとして青森県内の洋菓子店に勤務。子どもの頃に大好きな祖母に「いつか看護師になって面倒を見てほしいな」と言われた時から看護師は憧れの職業だった。次第に思いは強まって一念発起。23歳で同学科に入学した。

 講義や実習など仲間と共に過ごすキャンパスライフはかけがえのない時間だ。「達成感があり、勉強できる時間がとても楽しくてありがたさを感じている」。社会を経験したからこその充実感をにじませる。

 看護師姿を一番に見せたかった祖母は昨年他界。「きっと応援してくれている。立派な看護師になって家族や仲間に恩返しができれば」と力を込める。救命救急か産科を志望する蛯名さんは「一からのスタートという意味ではみんなと一緒。相手の立場になって考えられる看護師になりたい」と目標を掲げる。

デーリー東北新聞社

最終更新:8/20(火) 9:54
デーリー東北新聞社

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