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夫婦喧嘩の必殺フレーズ「仕事より育児のほうが大変」は、何の解決策も生まない不毛な言葉だ

8/20(火) 17:30配信

アーバン ライフ メトロ

「二項対立」は問題解決につながらない

 子どもがいる共働き夫婦にとって、家事育児と仕事の両立は簡単なものではありません。さまざまな方法を試したり話し合いを重ねたりして、自分たちなりの正解を探し続けていることでしょう。

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 多くの場合、専業主婦であろうと兼業主婦であろうと、家事育児をメインで行っているのは妻であり、夫は仕事に集中できる状態です。そんな「家のことを何もしない」夫への憤りから、「家事育児より仕事の方が楽」と、家事育児と仕事を比較する声も少なくありません。

 しかし筆者は、このように家事育児と仕事を「二項対立」で語ることは、問題の根本的な解決にならないと感じています。筆者自身の経験も含めてお話します。

「どのくらい苦労しているのか」の比較は不毛

 日本は他国に比べても、夫が家事育児をしない国だと言われています。実際に総務省が発表した「平成28年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもがいる夫婦における1日の家事育児(買い物や介護等も含む)の時間は夫が1.23時間、妻が7.34時間。共働き世帯のみを対象とした調査を見ても、夫は0.46時間なのに対して、妻は4.54時間となっています。

 この数字だけを見ると、「夫は家事育児に非協力的である」と結論付けたくなります。しかし、一生懸命に仕事をして稼いだお金でベビーシッターや家事代行などで外注することも、立派な家事育児と言えるはずです。

 子育て世帯と言っても事情は人それぞれ。家庭によっては、勤務時間上どうしても家にいる時間が短くなってしまう人や、体調や諸事情によって仕事や家事育児に十分な時間が取れない人もいるでしょう。

 そうしたケースを鑑みず、物理的に何時間家庭内で家事育児をこなしたかを夫婦で比較することは、「どのくらい苦労しているのか」の比較にすり替わっている場合が往々にしてあるように感じられます。

「どれだけ大変か」を夫婦間で競った先にあるもの

 仕事と家事育児で、楽なのはどちらか。その答えを導き出そうとする先にあるのは、決して前向きなものではありません。

 まず、仕事でも家事育児でも大変さを競うことは、「どのくらい家庭に貢献したか」がその人の価値基準になる怖さがあります。どちらが何をどのくらい分担しているにせよ、夫婦の役割を家庭への貢献度だけで計っていけば、たとえば病気になって働けなくなったり、家事育児を十分に行えなくなったりしたらどうなるか。きっと、簡単に家庭は崩壊するでしょう。

 また、「あなたの仕事と私の家事育児、どちらが大変なのか」というマウンティングは「より大変な思いをして、苦しんでいる方が偉い」という考え方に行き着きます。この考えの行きつくところは、ズバリ「死」です。苦労や不幸を競い合えば、最終的に死という最たる苦しみを味わった方が偉いという結論に至ってしまう可能性も、ゼロとは言い切れません。

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最終更新:8/21(水) 17:52
アーバン ライフ メトロ

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