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【nano.RIPE インタビュー】いろんな人に自分の環境や気持ちと重ねて聴いてほしい

8/20(火) 12:32配信

OKMusic

CDシングルとしては昨年2月のシングル「アザレア」以来となる「ヨルガオ」。表題曲「ヨルガオ」はNHK『みんなのうた』に書き下ろした楽曲ということで現在放送され注目を集めている。そんな同シングルについて、楽曲に込めた気持ちや制作エピソードなどを語ってもらった。

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バンドの真価が問われるのがバラードだと思っている

──「ヨルガオ」ですが、どんなイメージで作られた楽曲なのですか?

ササキ:きっかけはレーベルスタッフからの“バラードはどうですか”という提案でした。遅いテンポにメロディーを乗せるのが苦手なので、自分からバラードを作ろうという気持ちにはなかなかならなくて…。だから、普段ならすごく苦労するんですけど、この「ヨルガオ」はわりと早く作ることができたんですよ。そこから『みんなのうた』の番組プロデューサーとのやりとりに時間を掛けて…それに半年くらい費やしました。

──前回の配信シングル「アイシー」もミディアムバラードでしたが、CDシングルでバラードなのは久しぶりじゃないですか?

ササキ:そうですね。前回は2011年の「細胞キオク」になるんですけど、当時はファンがどういうふうに受け止めてくれるかすごく不安もあったんです。でも、結果的に「細胞キオク」が好きと言ってくださる方は多くて。バラードには力があると実感しました。メロディーが引き立つし。「ヨルガオ」も「細胞キオク」と同じような一曲になったらいいなと思います。

きみコ:アップテンポの曲は勢いで何とかなるところがあるけど、バラードはメロディーが良くないと成立しない。そのバンドの真価が問われるのがバラードだと思っています。

──『みんなのうた』で流れる時間は2分20秒と決まっているそうですね。

きみコ:アニメサイズの90秒ならたくさん作ってきたので、得意なんですけどね(笑)。あと、アニメサイズは90秒で歌詞が完結する必要はなくて、むしろアニメの展開的にその先を期待させたり、CDでフルサイズを聴いてもらう楽しみを残しておくほうがいいんです。でも、『みんなのうた』は2分20秒で完成した一曲として放送されるので、その中で起承転結を付けて完結させなければいけなくて。だから、歌詞は何度も言葉を入れ替えて、なかなか時間が掛かりましたね。2分20秒でもフル尺でも成立して、唐突さや違和感がないものにしなくてはいけないので。

──その歌詞は会えなくなった人とのことを書いているわけですが。

きみコ:この曲を作ったのが、ちょうど元メンバーだったドラマーの青山友樹が亡くなった直後だったので、自然とそのことを書いていました。今までなら亡くなった人のことを書くことに抵抗があったんですけど…例えばドラマやアニメで“主人公が死んじゃったら、そんなのずるいじゃん”“ヒロインが亡くなったら泣くに決まってる”って思うじゃないですか。でも、この時は友樹のことがあったから、取って付けたようなお涙ちょうだいではなく、ちゃんと自分の気持ちとして歌えると思ったので、自分の中から出てきたものに抗わずに書きました。そうしたら『みんなのうた』側も放送時期をお盆のシーズンに合わせてくださって。

──やっと乗り越えることができた青山さんに対する気持ちも重ねられているわけですね。

きみコ:今でも夢に出てくることがあるんですよ。歌詞は夜の間だけは会える…それこそ幽霊なのか幻なのか分からない存在と書いていますが、眠っている間に夢で会えるという経験をしている方はきっとたくさんいると思います。

──アレンジはイントロのキーボードがいいですよね。

ササキ:ローズピアノです。デモの時は弦も入れていたんですけど、入れないほうがもっと個人的な小さな世界という感じが出せるんじゃないかと、共同でアレンジしている兼松 衆くんが提案してくれて、それでローズだけの音にしました。他にもメロトロンを使っているんですけど、メロトロンは意外ときみコの声と合うんですよ。

──きみコさんの声はレトロ楽器と相性がいいんですね。歌録りもいつもと違いましたか?

きみコ:「ヨルガオ」は今まで録った中で一番歌った感じがしなくて、“こんなに疲労しないレコーディングがあるのか!?”と思うくらいでした。今回はどちらかと言うと、感情を殺すことによって押さえている気持ちがあふれているような歌になりました。感情で歌い上げるバラードもいいけど、「ヨルガオ」はいろんな人に自分の環境や気持ちと重ねて聴いてほしいと思ったので、みんなの気持ちを代弁しているくらいの気持ちで歌いました。

──ちなみに『みんなのうた』で記憶に残っている曲は?

きみコ:私は大貫妙子さんの「メトロポリタン美術館」です。大人になって改めて聴くと“怖っ!”って(笑)。そういう不思議な世界観の曲でしたね。

ササキ:去年、ピコ太郎さんの「Can you see ? I'm SUSHI」が話題になって、あれは斬新だと思いました。『みんなのうた』は突拍子もない歌が結構あったり、歌詞の結論が出ないまま終わってしまう歌も多くて。nano.RIPEの曲も最終的に答えを提示しない曲が多いので、『みんなのうた』にnano.RIPEは合っているんじゃないかって思っていました。

きみコ:「ヨルガオ」はより分かりやすい言葉で、1度聴いただけで物語が伝わるものを意識したので、歌詞の意味がまだ分からないくらいの小さいお子さんでも、何かひと言でも自然に耳に入って、大人になっても残る歌になったらいいなと思います。

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最終更新:8/20(火) 12:32
OKMusic

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