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【Rollo and Leaps インタビュー】多様性というテーマに込めた本当の想い

8/20(火) 10:02配信

OKMusic

広い世界で、たくさんの人に聴いてほしい

──多様性が謳われている時代にもかかわらず、ひょっとしたらひとつの価値観を押し付けられているという感覚が日々の暮らしの中であるのではないでしょうか?

石岡:ありますね。多様性と世の中では言われているけど、まだまだだなって思います。

──3曲目の「歩くような速さで」の歌詞は、今の日本のバンドシーンのことを歌っていますか?

石岡:初めて分かってもらえた!(笑)それ、誰にも言ったことがないんですよ。

──今のバンドシーンにある窮屈さを歌っているように僕には聴こえました。

石岡:おっしゃる通りです(笑)。聴いた人が分かってくれたらいいと思って、自分から言うことはしていないんですけど、分かってもらえて嬉しいです。

──今回、多様性という意味では、今までやっていないタイプの曲もあるのですか?

高谷:1曲目の「それでも夜は明ける」と5曲目の「夕凪」はいちろーさんに入ってもらって、これまでにないアレンジになっています。「それでも夜は明ける」はヴォーカルをダブルにして洋楽を意識した処理にしてみたり、「夕凪」ではスライドギターとアコースティックギターが入っていたり。今までは基本的にギター2本とベース、ドラムという4人だけの音しか使ってこなかった僕らからしたら、それは初めての経験でしたね。

石岡:「それでも夜は明ける」は電子音や打ち込みも入れたので、ちょっとモダンになっていると思います。今回、その2曲を含め、今までやったことがない曲が多かったのでアレンジに結構時間が掛かりましたね。頭の中でイメージできても、やったことがないタイプの音色…例えばスライドギターをいざ入れてみようとすると、意外にできなくて。いちろーさんにはかなり助けてもらいました。

──アレンジ面でアドバイスしてもらうことが、いちろーさんにプロデュースを頼んだ一番の理由だったのですか?

石岡:さらに進化するには外部からのアドバイスが必要だと考えていました。4人だけでやっていると、変えたいと思ってもどうしても似たようなものになってしまうんです。「それでも夜は明ける」はもともとリフがガンガン鳴っていて、ソロも長めのギターロックだったんですけど、それだと今までと変わらないということで、ギターが主役になりすぎないアレンジを考えました。ギターロック以外もできるということをアピールしたかったんです。

──セルフプロデュースによる3曲も全然遜色はありませんが、中でも最後を締め括る「スロウハイク」は聴き応えがありますね。

JACKSON:おおっ!

石岡:嬉しいです。メンバー自身お気に入りで、ライヴではいつもやっているんです。

──アルバムを締め括るという意味ではぴったりじゃないですか。

JACKSON:“最後にヤバいのきたぞ!”ってなる(笑)。

石岡:ギターのバイオリン奏法を使っているんですけど、そういうちょっと実験的な曲なんです。

──オルガンっぽい音色はギターで鳴らしていたのですね。

JACKSON:この1~2年、ミニマルミュージックやクラウトロックにはまっていて、タイトな反復の美学にシンパシーを感じていたんで、日本語のロックでそれをどうやるかって考えていたところに、石岡からこの曲のデモが送られてきて“うわ、これじゃん!”って。ライヴでやる時にどれだけ聴かせられるか、観せられるかという今後の課題はあるんですけど、そこもこの曲の面白さなのかなと。

高谷:歌っていても気持ち良いんですよ。ゆっくりした曲なんですけど、間奏からテンポが上がる中、最後にものすごく気分が乗って、思わず暴れたくなるんです。

──「スロウハイク」は歌詞もいいですね。歌の中の《あなた》が今どこにいるのか想像すると、ちょっと鳥肌が立ちます。

石岡:死んだ人は口が利けないじゃないですか。だから、生きている人たちは都合良く解釈するんです。“きっと空から見守ってくれてるから”って。でも、それじゃ死んだ人が気の毒だという気がして。実際には前世のしがらみから解放されて、自由に生きているかもしれない。そういう価値観があってもいいんじゃないかって。そんなことも歌った曲です。それこそ多様性ですよね。

──そんな「スロウハイク」もあれば、6曲目の「Wednesday」のような跳ねるリズムが心地良いポップナンバーもあって。

石岡:もともと跳ねるリズムも好きなんですよ。

──「それでも夜は明ける」の最後で《狭い箱の外へ走りだしてゆく》と歌っていますが、この作品をステップにRollo and Lepasはどこを目指していこうと考えていますか?

石岡:広い世界で、たくさんの人に聴いてほしいですね。自分たちの好きなことをやっているバンドなんですけど、“たくさんの人に聴いてもらって共感してほしい”という想いでバンドをやっている以上、聴いてもらわないと意味はないですからね。同世代のバンドも巻き込んで、僕らのようにメロディーを大事にしながら日本語でしっかり歌うロックがブームになるように頑張っていきたいです。自分たちだけが売れたいわけではなく、メロディーが良くて、ちょっと暗いし影があるけど光もあって、歌詞が共感を呼ぶバンドが流行る時代を作りたいと思っています。

取材:山口智男

OKMusic編集部

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最終更新:8/20(火) 10:02
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