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黒人男性を窒息死させた白人警官、5年後に解雇=NY市警

8/20(火) 15:00配信

BBC News

米ニューヨーク・スタテンアイランドで2014年7月、アフリカ系アメリカ人男性エリック・ガーナー氏(43)が逮捕される際、警察官から腕で首を絞められ死亡した事件で、ニューヨーク市警察(NYPD)は19日、絞め技をかけた警察官ダニエル・パンタレオ氏を解雇したと発表した。

パンタレオ氏の解雇処分は、NYPD内部の懲戒審査会からの推薦を受けて、検討された。

ジェイムズ・オニール警察委員長はこの日、パンタレオ氏がNYPDで禁止されている「チョークホールド」(腕で相手の首を絞める技)を使ったことは、ガーナー氏が死亡するまでを捉えた携帯動画を見れば明らかだと述べた。

■「自分も同じ過ちをしたかも」

オニール委員長は、ガーナー氏が路上に倒れ込んだ後も「チョークホールド」し続けると、パンタレオ氏が判断したことが、解雇につながったと説明した。

「ダニエル・パンタレオ氏が今後、ニューヨーク市警察官として職務にはあたれないことは明白だ」

続けて、「私がパンタレオ氏の状況に置かれていたら、同様の過ちを犯していたかもしれない。われわれは誰も、自分たちの判断を取り消すことはできない。他の人間の死につながる場面ならなおさらだ」と述べた。

今回の処分が決定するまでの間、パンタレオ氏は停職処分となっていた。パンタレオ氏の弁護士は、解雇処分を不服として訴訟を起こす考えだとしている。

■「息ができない」

ニューヨーク州の大陪審は2014年、パンタレオ氏を不起訴としていた。

公民権法違反の可能性をめぐる捜査の結果、連邦検事も先月、パンタレオ氏を訴追しないと発表した。

ガーナー氏が死に際に口にした言葉、「息ができない」は、後に、警察による残虐行為への抗議スローガンとなった。

■ガーナー氏に何が起きたのか

2014年7月17日、ガーナー氏はスタテンアイランドの路上で、違法にタバコを販売した疑いで逮捕された。

通行人が撮影した動画では、白人のパンタレオ氏が、抵抗するガーナー氏の首に腕を回しているように見える。

体重160キロ以上の大柄なガーナー氏を、パンタレオ氏ら複数の警察官が押さえ込んだ。ガーナー氏は次第に呼吸が荒々しくなり、「息ができない」と訴えた。

6人の子どもの父親であるガーナー氏は、意識を失い、搬送先の病院で死亡が確認された。

■「チョークホールド」が死因

検死の結果、「チョークホールド」がガーナー氏の死因だと結論付けられた。

一方、パンタレオ氏の弁護人は、ガーナー氏を逮捕する際、パンタレオ氏は使用が認められている手段を使ったと主張している。

しかし、今月初め、NYPDで行政処分を審議するローズマリー・マルドナド委員長は、NYPDで禁止されている「チョークホールド」をパンタレオ氏が使用したと結論付けた。

ガーナー氏に十分な救急救命措置が施されなかったとして、遺族は不法死亡訴訟を提訴。2015年にニューヨーク市が590万ドル(約6億2880万円)を支払うことで和解した。

■「チョークホールド」の違法化を

パンタレオ氏が解雇処分になったことを受けて、ガーナー氏の娘エメラルド・ガーナー氏は、オニール委員長に感謝を述べた。

「人殺し(MURDERER)」と前面に書かれたTシャツを着たエメラルド氏は、家族はいまでも、この事件に関与したほかの警察官に対し、訴訟を起こす考えだと述べ、父親の死を招いた「チョークホールド」を違法にするため戦うと誓った。

■警察は機能していない

警察組合のパトリック・リンチ組合長は、NYPDには「指導者がおらず、機能が停止している」と非難した。

「リーダーシップが放棄され、現場の警察官に後方支援なしに押し付けられている」

■警察の権限を制限

今回の解雇処分に先立ち、カリフォルニア州では、警察の権限を制限する、最も厳格な法律が成立した。

ギャヴィン・ニューサム州知事は19日、警察による発砲を減らすことを目的とした、法案392に署名した。

これは、警察官による殺傷能力のある武器の使用を、現行の「妥当な」場合ではなく、死が差し迫っていたり、重傷を負う危険を防ぐために「必要な」場合にのみ認めるというもの。

(英語記事 NY officer fired over 'I can't breathe' death )

(c) BBC News

最終更新:8/20(火) 17:30
BBC News

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