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【特集】大切な人を突然亡くし残された家族...喪失感と向き合う「グリーフケア」

8/21(水) 16:09配信

MBSニュース

いつかは誰もが経験する大切な人との死別。地域のつながりやお葬式が縮小している現代では亡くなった人について語る場が減り、悲しみとの向き合い方も変化してきています。大切な人を失い、残された家族がその喪失感と向き合うための活動「グリーフケア」の現場を取材しました。

最愛の妻が突然この世を去って…

関西在住の男の子のきりちゃん(仮名・3)とお父さんの山本つよしさん(仮名・39)。夏休みに入り、きりちゃんのお母さんが生まれ育った沖縄にやって来ました。

「おかえり~!」(祖母)

きりちゃんのおばあちゃんとひいおばあちゃんが、2人を温かく出迎えます。でも、きりちゃんのお母さんはもういません。

「この写真の場所は、この(沖縄の)家の縁側ですね。」(山本つよしさん)

妻のゆりこさんはきりちゃんを生んだ約20日後に突然、病気で息を引き取りました。山本さんにとって沖縄は、亡くなったゆりこさんとの思い出が詰まっている場所です。

「こっちに来たら、妻を感じられる場所なので。(妻と)一緒に来て見せたかったというのは一番あって。『うちの妻のがんばって産んだ子どもだよ』って報告しに来たかった。」(山本つよしさん)

最愛の妻が突然この世を去ってしまった悲しみは、山本さんの世界を180度変えてしまいました。

「お宮参りとかも遺影を持ってやらざるを得なかったんです。街を歩いていても、ずーっと、ずーっと感じますけどね。いたら、いたらって。息子のこと以外で今までどおりみたいに自分が笑う、笑えるっていうことは、まあないです。」(山本さん)

山本さんは妻との生活を手放すのがいやで、ゆりこさんの持ち物は今もそのままの状態で残しています。

一番辛いのは気持ちを周りの人に理解されないこと

ゆりこさんが亡くなった時、きりちゃんは生まれたばかり。3歳のきりちゃんにとって、お母さんは「写真の中の人」です。

「お母さんにあいさつしてきて。ちゃんとおててあわせて。」(山本さん)

山本さんは3年間、きりちゃんを育てることを生き甲斐にしてきました。離乳食の勉強から始まり、料理教室にも通って1歳の誕生日にはケーキを手作りしました。ゆりこさんが亡くなってからは毎日欠かさず写真を撮り、日記もつけています。

「子育てがあるから生活が成り立つみたいな感じでしたね。子育てが自分からなくなると、もう何もないというか、何をしていいかがわからない。息子の子育てをすることで、何かこう生きていたっていう感じやったんで。」(山本さん)

ゆりこさんが亡くなって3年が経った今でも、深い悲しみは消えません。一番辛いのは、この気持ちを周りの人に理解されないことです。

「こういうことを話す機会がないし、聞かれることもないので。どこまで人にこういうことを言えばいいのかが、ちょっとわからなくて。」(山本さん)

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最終更新:8/27(火) 10:11
MBSニュース

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