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刑務所ではじめて受けた愛情。非行少年を無償で支援する男がチカーノ・ギャングに学んだ家族観

8/21(水) 12:40配信

新R25

先日、ヤバいドキュメンタリー映画を見つけてしまいました。

主人公は実在する人物・KEIさん。元ヤクザでFBIのおとり捜査にはまり、10年以上アメリカの刑務所に服役。帰国後は稼業から足を洗い、家庭環境や心の問題を抱える子供たちを支援するNPO法人「グッド・ファミリー」を主催しているとのこと。

…いやいや、一体何が起こったら、そんな展開になるの…!?

ということで、KEIさんがボランティア活動を行なっている神奈川県・平塚までお話を聞きに行ってきました! 幼いころは決して家族環境に恵まれていたとは言えないKEIさんが「家族問題」に取り組む理由、そこには今の日本が忘れかけている「家族観」が隠されていました。

〈聞き手=森伽織〉

刑務所・最恐のギャング「チカーノ」との出会い

森:
さっそくですが、KEIさんはなぜ問題を抱える子供たちを支援するNPO法人を主催しているんですか?

KEIさん:
そもそものきっかけは、カリフォルニアの刑務所でチカーノと出会ったことですね。

森:
チカーノ…?

KEIさん:
チカーノは、仲間のことを「HOMIE(ホーミー)」と呼びあうメキシコ系アメリカ人のギャングのことです。

彼らは10歳でクスリの売買を始めるような貧しい環境で生きていて。

異常に結束力が強いうえに、カリフォルニアの刑務所では受刑者の60%を占めているので、刑務所の中でも特に恐れられている存在でした。

森:
なんでまた、そんな恐ろしいギャングと出会うことに?

KEIさん:
29歳のときに、覚せい剤の密売でハワイのホノルルで逮捕されたんです。

その6カ月ほど前からホノルルで一緒に暮らしていた人がいたんですが、実はその人、FBIの捜査員だったようで…いわゆるFBIのおとり捜査にはめられたんですよ。

森:
そんな映画みたいな人生を歩まれてきたんですね…

KEIさん:
それで、自分が入ったのは重犯罪者が収監される、レベル4~5の刑務所。ギャング同士の抗争や暴動、殺人がよく起こって月に何人も死人が出る環境なんですけど…

森:
(さっきからずっと話がヤバイ)

KEIさん:
刑務所に入ってすぐのころ、僕が食堂で座った席がビッグ・ホーミー(チカーノ・ギャングのボス)の席だったようで(刑務所の食堂は暗黙の了解で席が決まっている)。

「お前、誰の席座ってんだよ?」って何十人に囲まれて、刑務所内の野球場に連行され…

森:
怖い怖い…!

KEIさん:
んで、ビッグ・ホーミーと2人で話すことになって「なんでお前いつも1人なんだよ。どっかのグループに入らないのか?」って聞かれたんですが、「ここには日本人が1人もいないから」と答えたんです。

そしたら、そういう媚を売らない態度が気に入られたのか、ビッグ・ホーミーに「今日から俺の部屋に来い」って受け入れられました。

森:
すごい度胸…

でも、仲間意識の強いグループに突然KEIさんが入ることを、他のチカ―ノも快く受け入れてくれたんですか?

KEIさん:
最初は「なんでオリエンタルの奴がいるんだよ」と反発もありました。

でもすぐに認めてもらえるようになって、そこからは本物の家族同然に接してもらいましたね。

特に仲の良かったゴンザレスというチカーノのお母さんなんて、日本から誰も面会に訪れない自分をかわいそうだと言って、何度も面会しに来てくれました。

森:
え、KEIさんの面会に!?

KEIさん:
そう。しかも彼女たちも貧しい暮らしをしているのに、毎回食べ物を差し入れてくれるんです。

彼女はスペイン語しか話せないので、言葉も完全には通じないのですが、面会時間が終わりに近づくと毎回わんわん泣きながら帰っていく姿が印象的でした。

ゴンザレスは途中で別の刑務所に移ったんですけど、その後も彼のお母さんは自分に会いに、辺境の地まで毎週来てくれました。

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最終更新:8/21(水) 12:40
新R25

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