ここから本文です

<知事選>埼玉の企業誘致、本社転入は全国トップ 一方で人手の奪い合いも 主要候補者の経済政策

8/21(水) 10:31配信

埼玉新聞

 「企業誘致大作戦」。埼玉県は2005年1月から上田清司知事の肝いりで、産業振興や税収、雇用増を目的として、企業の本社機能や工場の誘致、県外流出阻止に力を入れてきた。多くの自治体が掲げるものの実現が難しい取り組みに、あえて挑戦した。

<知事選>埼玉県民には…投票に行かせておけ!! 「翔んで埼玉」で選管がPR 動画配信も

 上田県政の16年間はインフラ整備が追い風となった。圏央道の県内全線開通や東日本各地を結ぶ新幹線が充実。ホンダは寄居、小川両町に工場を増設し、グリコは北本市に子会社を設立し工場を新設した。鶴ケ島市の県農業大学校跡地(約13万6千平方メートル)は、重機大手のIHIの進出にこぎ着けた。現在、19年度中の稼働を目指して航空機エンジンの新工場が建設中。航空産業は、県が14年度からスタートした企業の稼ぐ力を高める「先端産業創造プロジェクト」の一つでもある。

 作戦の目標件数に掲げていた1千件は昨秋までに達成した。帝国データバンク大宮支店の調査では、09~18年の10年間で企業本社の転入超過数は743社で全国トップだ。

■慢性的な用地不足

 企業誘致の効果は税収に表れる。「法人県民税」と「法人事業税」を合わせた「法人二税」は、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災後は落ち込むも、12年度以降、最大で1割増など連続して前年を上回っている。同支店情報部の梅林政文氏は「当社の調べでは、埼玉県の転入超過数は常に全国トップレベル、10年間累計でも首位をキープ。当然、県の税収増にも貢献していると考えられる」と分析する。

 ただ工場の誘致では取りこぼしもみられる。経済産業省発表の工場立地動向調査によると、埼玉県の件数は18年までの10年間、毎年ベスト10入りするも、同じく高速道路網が充実している茨城、群馬両県の件数を8年、下回った。

 要因は両県と比べ、埼玉の産業用地が慢性的に不足している点だ。両県は用地を準備しながら周辺道路も整備して誘致に注力。埼玉県では北部に本社工場がある航空機関連メーカーが群馬県に移転する事例も出ている。県北の自治体からは県北部での産業集積を切望する声が根強い。

 大手企業の新規立地には地元経済への波及効果を評価する一方、地元との関係性が希薄な点を懸念視する声もある。製造業の70代経営者は「(誘致の)大企業と地元中小企業には分断がある」と指摘。「下請けや雇用も増え一定の恩恵はあるが、大企業は地元と交流することが少なく、ドライ。中小の自助努力も必要だが、情報や意見を交えることで相乗効果が生まれ、地元経済はより豊かになるはずだ」と連携の必要性を訴えた。

1/2ページ

最終更新:8/21(水) 10:31
埼玉新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ

  • ただ今の時間、メンテナンスの為一時的に購入履歴の表示、有料記事の購入及び表示でエラーになる事があります。エラーになった場合はしばらく時間をおいてから再度お試しください。