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「残ったトイレットペーパーが泡のように…」「五輪には到底間に合わない」お台場の汚水に衝撃…今からでもできる東京湾の対策は

8/21(水) 17:06配信

AbemaTIMES

■汚水が混じる仕組み…「大会には到底間に合わない」

 映像の撮影と同じ年に行われた水質調査では、国際水泳連合の定める基準の7倍、ITUの定める基準の21倍の大腸菌を検出する日があったという。大会組織委の室伏広治スポーツ局長(当時)は「特に雨が降った後のデータがあまり良くないということもあるので、競技日程など、そういうことも踏まえて総合的に対応していくことになると思う」との見解を示していた。

 榎本都議と室伏局長の話にあった、“東京湾の水質は雨によって変わる“とはどういうことなのだろうか。

 東京の下水道は、生活排水や工業廃水などを1本の下水管に合流させて下水処理施設で浄化し、その後で川に流すと「合流式」を採用している。通常、3回の下水処理が3周行われているが、台風やゲリラ豪雨などで急激に雨量が増えて下水管に大量の雨水が入った場合、市街地の浸水被害を防ぐために1回の簡易処理のみで川に流すことがあるのだ。このことは東京都水道局のHPにも「一定量以上の雨が降った時に、汚水混じりの雨水が河川や海などに放流されます」と説明されており、都では降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備、排水を貯める施設の拡大、雨水を地中に染み込ませる雨水浸透桝の設置などを進めてきた。ただ、小池百合子都知事が2016年、「昔はもっと汚かったけれど、だいぶ甦りつつある。だいぶ良くなってきたが、まだきれいにできるわね」と発言しているものの、効果のほどは未知数だという。

 吉村氏は「下水処理場の中には皆さんのウンコも食べてくれる、ありがたい生物処理の仕組みがあり、そこを通して、東京都では1日あたり450~550万トンの水が東京湾に流れている。しかしゲリラ豪雨などで50~75ミリ、つまり通常の60倍の水が入った場合、下水処理場に入る手前に設置されている800か所の越流堰から水を出さなければ、下水処理場がパンクしてしまう。もともと下水処理場の本来の目的には雨水の排除もあり、それによって都市型の洪水を防いでいたが、最近では100ミリを超える雨が増えており、10年前は年220回だったのが、都の試算で2050年には300回を超すと言われている」と説明。「とにかく雨水の排除を重要視していたこともあり、国際的に見てもロンドンやニューヨークも合流式で、東京は合流式が8割、分流式が2割だ。一方、後から下水が整備された横浜の場合は合流式が3割、分流式が7割で、非常にうまく言っている。東京でも同様にしたいが、それには10兆円の費用と50年くらいの時間がかかる。都が考えている対策も、全て完成したとして170万トン分だ。75~100ミリの雨が降ると約1000万トンの水が出る計算になるし、絶対に開催には間に合わない」とした。

 榎本氏は「簡易処理の場合、殺菌と鉄格子で大きなゴミを取るという程度で、後は塩素消毒だけして流してしまう。台風やゲリラ豪雨の場合、簡易処理も省略となる」と実情を明かし、「都の対策も到底間に合わない。芝浦で初期雨水の貯留施設の工事が進められているが、深さ75mのところ、5、6年が経っているのにまだ20mしか掘れていない。そこで貯めきれなかったものを圧送する地下トンネルも8kmのうち3kmしかできていない。長期の計画と短期の計画は分けて考えなければいけない」と警鐘を鳴らす。

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最終更新:8/22(木) 15:57
AbemaTIMES

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