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こりゃ危険、77型で100万円ごえの「有機ELテレビ」を自宅の和室6畳間に置いてみたら……

8/22(木) 14:00配信

アスキー

77型のテレビを6畳間に置く。一見無謀にも見えるが、意外と普通というか、最高だった。
 「テレビの進化を体験できた」。この1ヵ月半の生活を通じて感じたのがコレ。
 
 ソニー・ブラビアシリーズの77型有機ELテレビ「A9G」が発売直後の6月半ばにわが家にやってきて、先日帰って行った。きっかけは、できるだけの「大画面」を自宅に置いてみてくださいという提案があったこと。「だったらやってみましょうか?」と、興味本位で受け入れては見たものの、「本当に置けるのか」そして「正常な家庭生活が送れるのか」は半信半疑だった。
 

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6畳間でも全然いけちゃいます!
 結論から言うと、和室の6畳間でも77インチは全然問題なく入る。確かに、笑っちゃうぐらいの大きさだけど、壁一面を埋めた感じの体験は最高! 置いてしまえば、思いのほかシンプルで、配線まわりもスッキリ。掃除や導線の確保の面での支障もなかった。自宅には、HDD録画対応のケーブルチューナーが1台あるが、必要なケーブルはこれとつなぐHDMIケーブル、電源、アンテナ程度だ。それ以外のほとんどの機能はWi-Fi経由で済む。
 
 大画面に意識が向かいがちだが、使って驚いたのが迫力ある音響だ。いままでは、地デジ化のタイミングで購入した50インチのテレビを使用していたが、背面スピーカーの音がちょっと不満だった。結局、単品コンポとスピーカーをつないで使ってきたが、A9Gはこういった機器を追加せずに、それに匹敵する音質が得られた。低域の豊かさに関しても、中高域の広がりに関しても申し分ない。テレビのスピーカーも随分と進化していると感じた部分だ。
 
 77型あると、左右の幅は170mmを超え、畳1枚とほぼ同じ広さになる。これなら、背面スピーカーでも、単品のスピーカーを十分に離して置いたのと同じ効果が得られるわけだ(つまり広がり感のある音場になる)。逆にA9Gにはセリフなどを明瞭に出すため、センタースピーカー用のスピーカー出力まで付いているほど。
 
財布のひもが緩みそうで危険
 量販店などの展示では、画面サイズや画質の確認はできるが、音質チェックまでする機会は少ない。音の迫力は、実際に設置してみたからこそ、実感できたと言える。100万円近くするテレビではあるが、画質だけでなく音も高級コンポ並みと考えれば、結構お安く感じてしまう面がある。
 
 80インチに迫る大画面という意味では、過去15年ほど前に、720pのDLPプロジェクターとAVアンプでチャンレンジしてみたことがあった。しかし、当時とは比べ物にならない映像美、機能、そして音の体験をほとんど変わらない金額で実現できると考えると、ちょっと危険だなぁ……と率直に感じる。財布のひもが緩んでくるからだ。逆説的だが、まだテレビには、そんなにお金を使いたくないという人は、絶対に体験しない方がいい製品かもしれない。
 
設置はかなりスムーズ、あっという間に完了
 
 設置の様子。確かに大型なのだが、一昔前のテレビと比べると梱包は薄型。廊下などを通す際もスムーズでありがたい。設置場所の都合もあって、機材はいったん屋外でテレビを組み立てた後、室内に持ち込まれたが、組み立て、設置、設定に要した時間は、合計20分ほどだった。
 
 ちなみに、発売直後のタイミングだったが、筆者の地域でもすでに何件もの設置を済ませたあととのこと。人気のほどがうかがえる。最上位機種/最大サイズなので、購入するのはマニア層が多く、敢えて自分で設定したいという人も多いそうだ。
 
世界で6シリーズしかない、Netflix推奨テレビなのだ
 そんな大画面と迫力ある音響がセットになれば、当然見たいのは映画。A9Gは2019年のNetflix推奨テレビに選ばれている。
 
 Netflix推奨テレビとは何か。簡単に言えば、このテレビなら「画質」はもちろん「使い勝手」も含めて、Netflixを楽しむのに文句ないですというお墨付きのテレビだ。具体的には、起動の速さ(3秒以下で起動して、電源を切る前の状態に復帰)など7項目。現時点で選定されているのは、A9Gを含む、全世界6シリーズだけだ。もちろん4K、HDR(Dolby Vision)、Dolby Atomosまで含めて、最高級のおもてなしを提供できるテレビである。
 
 4K HDR対応のコンテンツは海外ドラマなど中心に増加傾向だ。Netflix画質モードの採用に加え、4Kの解像度は大画面で生きるし、黒が沈んだコントラスト感のある映像は有機ELの真骨頂だ。
 
OK、グーグルで起動するのが便利
 Netflixなど、動画配信系サービスの再生機能は、多くがAndroid TV上のアプリケーションとして提供されている。標準状態でもAmazon プライムビデオやAbemaTV、YouTubeといったサービスが利用でき、ホーム画面からリモコンや音声で簡単に呼び出せる仕組みとなっている。こういったサービスがオールインワンかつビルトインで提供されていることで、楽しめるコンテンツの種類は非常に多い。加えて、テレビとネット環境の組み合わせによって、テレビ周りがかなりシンプルになるのもメリットだろう。
 
 
 使い始める前は「Android TVってどうなの?」と半信半疑ではあったが、数年の蓄積があるせいか、思った以上に動作は快適。速度の面でも安定性の面でも使いにくさを感じることはなかった(たまに止まって再起動することはあったけれども)。
 
 加えて、Googleサービスとの連動感がとても快適だ。わが家にはGoogle アシスタント対応のスマートスピーカーがすでに何台も置いてあって、家族もその操作に慣れているが、そのこともあって、テレビを声で操作するのにも違和感がなく、生活にも自然になじんだ。
 
 例えば、朝の外出前。天気や気温を知りたい場合は、これまでニュース番組にチャンネルを合わせていたが、A9Gがリビングにあるなら「OK、Google、今日の天気は?」と聞くだけで済む。また、YouTubeやAbemaTVで観たい動画を再生するのもカンタン。用が済んだら「OK, Google、テレビを消して」と言うだけだ。リモコンを探して右往左往する必要がない。
 
Chromecastで、スマホとの連動も◎
 また、Chromecastの機能が利用できるので、スマホアプリとの連動感も優れている。「dアニメ」など、テレビに標準では入っていないサービスも、手元のスマホで再生したい動画を選び、キャストするだけで、そのまま大画面で見られる。
 
 HDRや4Kは魅力なのだが、正直そこまでのコンテンツはないという人も多いだろう。実は使っていてとても楽しかったのが、YouTubeのライブ映像だった。大画面の臨場感がこれでもかと感じられるし、音の面でもかなり迫力あるものが収録されているのが分かる。このサイズであれば、ヒキのカットでは観客ひとりひとりのリアクションが認識できるほどだし、アーティストのアップはこちらが気恥ずかしいぐらいでかく、眼福の至りである。会場でライブに参加しているのに匹敵する没入感が得られると言えそうだ。
 
 なお、入力をメディアサーバーに切り替えれば、別室で録画中のHDDレコーダー内の映像も視聴可能だ。大画面の有機ELテレビは、4K放送の視聴やUHD BDなどの再生ももちろんできるが、それ以上にネットワークにつないで真価を発揮する製品だと感じた。
 
 簡単に画質についても書いておくと、絵作りとしては、少し派手目な傾向。これまで使っていたプラズマテレビと比較すると、色彩の鮮やかさが印象的だ。黒の沈み込み感や暗部の階調感などは、やはりすごく、家族が寝静まった深夜、照明を消して映像の世界に没頭したくなる。A9GはBluetooth機能も持つので、深夜であればヘッドホンとの組み合わせがオススメだ。ワイヤレスの快適さで、パーソナルな体験に没頭できる。
 
大画面の有機ELは、リビングの夢?
 私は自発光のディスプレーが好きで、過去に世界初の有機ELテレビである「XEL-1」を自腹購入したことがある。現在主流の大画面有機ELパネルとは、少々異なる仕組み(某評論家の先生に話したら、「世界遺産」と言われた)であり、20型、30型といった大画面が実現することはなかった。筆者としては、ほぼ15年前に、第2弾、第3弾の有機ELテレビの登場という夢に投資したわけで、ここは今でも残念に感じている部分だ。しかし、A9Gがズドンと鎮座したリビングには、背景は少し違っても、あの時、夢見た体験があるような気がする。
 
 もうひとつ、改めて感じたのは、テレビはネットワーク機器なのだということだ。インターネットに接続し、自由な時間に自由なコンテンツを最高の画質で見られる。また、コンテンツを見ることに限らず、テレビに直接声で話しかけて、様々な情報を取得するといったことまで、非常にシンプルな手順で完結する。
 
 うちはだいぶ前に、リビングのテレビを片付けてしまったので、家族はテレビのない生活に慣れている。しかし、A9Gが来てからは、Amazon プライムビデオの稼働率が一気に上がった。口をそろえていうのは、やはり映画やドラマは、大画面のテレビで見た方がいいということ。スマホやタブレットを前のめりになってみるのとは異なり、おおらかな気持ちで画面を眺めることができるなど、異なる快適性があるのだという。
 
 そして、A9Gであればもちろん、音も画質も現在最高級の水準だ。難点があるとすれば、ついつい見入ってしまって時間泥棒になってしまう……点ぐらいだろう。
 
 
文● 小林 編集●ASCII

最終更新:8/29(木) 18:11
アスキー

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