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量子コンピューター開発のマイルストーン。音の粒子フォノンを測る「量子マイク」が作動

8/22(木) 20:01配信

ギズモード・ジャパン

量子コンピューターの開発がまた一歩前進。

「音」の最小単位であるフォノン(音子)を識別できるシステムが、量子コンピューターの進歩に大きなマイルストーンを打ち立てたと話題です。フォノンの音を聞きわけることができる音量子マイクの誕生とのことですが、これからの進歩に期待できますね。米GizmodoのサイエンスライターRyan F. Mandelbaumの分析の翻訳をお送りします。

何度も論文を書いてようやくこぎつけた

いつの日か、量子コンピューターは普通のコンピューターが成し遂げられないようなことや、普通のコンピューターでは困難なことをやってのけるのかもしれません。でも今の時点ではまったくもって能力に限界のある機器にしかすぎません。たとえば、いまだに量子メモリやプロセッサ間をつなぐ量子インターフェースには満足に使えるようなものが、いまだに登場していないのですから。異なる媒体間の量子情報を動かす方法を見つけることが、世界の研究者たちの目下の関心領域といえるでしょう。

今回、スタンフォード大学の研究チームが、あるシステムについての研究結果を発表しています。このシステムは、量子ビットを使用して小さな発振器でマイクのように最小単位の振動を聞き分けるというもの。量子コンピータの進化における大きな一歩といえるでしょう。

「非常にエキサイティングです。クリスマスイブに最初の測定をしたんですよ」スタンフォード大学の応用物理学教授アミール・サファヴィー=ナエイニ博士が米Gizmodoに語っています。「(第一著者の)パトリシオ・アランゴイズ=アリオラとわたしは2015年にこのシステムについての話をしたんだけど、そのときはまったく方向性が見出せなかった。でも、何度も論文を書いて測定を重ねてやっとここまでこぎつけたという感じです」。

量子コンピューターのおさらい

それでは量子コンピューターとは何でしょうか。従来のコンピューターが(古典)ビットという単位を使って0か1かの状態を行ったり来たりしてビット列の変換で演算を行なうとすれば、量子コンピューターは量子ビット(qubit=キュービット)という単位で計算を行ないます。古典ビットは0か1かといったふたつの状態のいずれかですが、量子ビットの特徴は計算中にそのふたつの状態のあいだをとることができます(測定した瞬間にどちらかの状態に収束)。

また、量子ビット同士を「もつれ」させてお互いの状態を通常ではありえないレベルで結びつけることで、特定の量子ビットの組み合わせを発生しやくさせたり、特定の組み合わせを禁じることもできます。たとえるならば、量子ビットはそれぞれがイカサマ用のサイコロで、振って出る目が奇妙に結びついているようなイメージ。これらの特性により、量子コンピューターは膨大な組み合わせの中から最適な組み合わせを短時間で導き出せるのです(ありあえる組み合わせが多ければ多いほど量子コンピューターに有利)。

量子コンピューター全般における最新の動向は、こちらにまとめています。

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最終更新:8/22(木) 20:01
ギズモード・ジャパン

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