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不登校を生む教育現場の課題(1)「私立」「女子校」の闇――子どもが不登校・ひきこもりにならない/から脱出するための子育て術

8/22(木) 16:00配信

本がすき。

2019年5月。元号が平成から令和に変わり、日本中が新しい時代の幕開けに心躍らせていた矢先に起こったのが、スクールバス襲撃や元農水省幹部の長男刺殺といった「ひきこもり」に関連した凄惨な事件の数々でした。若者の不登校・ひきこもり問題に30年以上支援活動を続け、延べ1万人以上の生徒を立ち直らせてきた著者が、事例を踏まえて解決の糸口を贈る『不登校・ひきこもりの9割は治せる』(7月18日発売・光文社刊)より、不登校を引き起こす教育現場の内情についてご紹介します。「私立高校」、「女子校」編です。

◆私立高校ならではの事情

不登校の問題は、公立と私立のどちらに進学しても起こるものです。

しかし、長年、東京都内で指導してきた私の経験上、中高一貫の私立進学校に問題があるように感じます。

私立進学校が多い東京都の地域的な傾向もありますが、相談に来る生徒は、難関大学に合格者を大量に送り出す進学校に在籍している場合が非常に多く、約9割を占めます。

これまで当会に相談のあった生徒の在籍校をあげると、東京大学合格者数ランキングに名前が出ているような私立御三家をはじめとする有名進学校や、有名大学附属校の名前がこれでもかというくらいたくさん出てきます。関東だけで100校以上にのぼり、どの私立進学校でも起こっている問題といえます。

実際、不登校の相談を受けて、その子どもの通う私立学校側へ「一緒に問題を解決しよう」と話し合いに行くこともあります。学校によっては、話を聞いてくれるところもありますが、「うちはうちでやりますから」というところも少なくありません。

顕著なのは英語です。私立校の英語の進度は公立と比べると非常に速くなっています。中1のうちから高校の指導範囲の文法を教えたりするほどです。

進学校の先生たち自身も、特に英語の授業に問題があると思っているようで、私に愚痴をこぼすこともあるくらいです。

2020年度に実施される大学入試改革では、英語はリスニング(聞く)・スピーキング(話す)・リーディング(読む)・ライティング(書く)の4技能が必要になりますが、いまだにリーディングの文法中心に授業している学校ばかりです。もっとリスニングやスピーキングを重視した楽しい授業をするべきだと私は思っています。

また、成績が低下した後のフォローも十分とはいえません。

学校によっては補習などを一生懸命にしてくれるところもありますが、補習がない場合もあり、ひどい場合には、「授業についてこられないなら転校したほうがあなたのため」と辞めることを促す場合もあります。

俗にいう「肩たたき」です。学校の授業についていけず、学校は面倒をみてくれるどころか、辞めるように勧めてくる、または、辞めるように仕向けてくる。そんな状況では、いつ不登校になってもおかしくありません。

また、成績が悪いわけではなく、成績上位にいても、大学受験へのプレッシャーや、周囲の「いい大学に行くのが全て」という価値観に押しつぶされて、不登校になってしまうケースもあります。

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最終更新:8/22(木) 16:00
本がすき。

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