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突然の“ゲリラ豪雨”を引き起こす雲「ウォールクラウド」とは? 寺川奈津美気象予報士が解説

8/22(木) 19:23配信

FNN.jpプライムオンライン

各地でゲリラ豪雨が多発

今週、列島各地を襲っているのが、ゲリラ豪雨だ。本州付近に停滞する秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、雨雲や雷雲が発生しやすくなっている。8月21日午後6時ごろ、岐阜・瑞穂市付近に突如現れた雨雲が接近。驚きの光景が見られた。

【画像】寺川奈津美気象予報士の解説を見る

巨大な積乱雲「スーパーセル」。その下の方には「ウォールクラウド」ど呼ばれる、皿を伏せたような形の雲がある。
寺川奈津美気象予報士によると、このウォールクラウドは危険の象徴だという。

寺川奈津美気象予報士:
この雲が発生すると大雨や突風、ひょうはもちろん、強い竜巻を引き起こすことがあります。悪天候を引き起こす、非常に危険な雲だと言えます。

実際、このウォールクラウドが撮影された約10分後には激しい雨が降り始めた。

その20分後には、さらに激しくなった雨が地面を打ち付け、道路が冠水。わずか30分で天気は激変した。午後6時半ごろには雨雲は約17キロメートル離れた愛知・一宮市へ。この時、地上では多数の雷が!

「スーパーセル」と「ウォールクラウド」 ゲリラ豪雨のメカニズムを解説

相次いだ雷の影響か、一宮市内では一時、1000軒以上が停電したという。日本列島を相次いで襲う局地的な大雨。なぜゲリラ豪雨が多発するのだろうか?「直撃LIVEグッディ!」のスタジオで、あらためて寺川奈津美気象予報士が解説した。

寺川奈津美気象予報士:
このウォールクラウドは、スーパーセルという巨大な積乱雲の一部と考えられます。ウォールクラウドの中では非常に強い上昇流と下降流が引き起こされていて、大雨や雷、突風、ひょうなどを引き起こすことがあるんです。特に、強い竜巻が起こる時は必ずこの雲が発生すると言われています。

安藤優子キャスター:
スーパーセルって、どれくらい巨大なんですか?

寺川奈津美気象予報士:
スーパーセルは水平の広がりとしては100キロメートル近くなることもあります。その一部が、このウォールクラウドです。この雲をカメラにとらえた視聴者の方は発見して10分後にものすごい雨が降ってきたとおっしゃっていましたが、おそらく雲の下に入ったものと考えられます。この雲の下に入ったら数秒後に雷やひょうが降ってきてもおかしくない状況ですので、こういう雲を見たら危機感を強めていただきたいと思います。頑丈な建物に避難するというのが鉄則です。

倉田大誠アナウンサー:
各地で突然発生するゲリラ豪雨。なぜ発生するのか教えてください。

寺川奈津美気象予報士:
8月21日午後6時10分、岐阜・瑞穂市でウォールクラウドが発生した時の衛星画像を見てください。

寺川奈津美気象予報士:
この、ひときわ白く輝く部分がありますが、白ければ白いほど、背が高く発達した雲であることを表しているんです。このあたりで積乱雲が発達していたことが分かりますね。この雲が発生・発達した理由なんですが、大きな場としてはこんな状況になっています。

寺川奈津美気象予報士:
今、秋雨前線が停滞しています。これに向かって高気圧のふちを回り込むようにして湿った空気が西日本から、東日本を中心に流れ込みやすい状況になっているんです。おそらく瑞穂市であれだけ発達した雨雲がわいたのは、些細なきっかけだったと思います。つまりそれが瑞穂市ではなく、関東でこういったウォールクラウド、スーパーセルが発達してもおかしくないような状況だったんです。こういった状況がしばらく続くので、注意をしていただきたいなと思います

安藤優子キャスター:
事前に、どこでゲリラ豪雨が起こるのか、というのは分からないものでしょうか?

寺川奈津美気象予報士:
前兆としては、急に空が真っ暗になる、ひやっとした風を感じる。雷や突風、ひょうがぶわーっと降ってきたりすると、もうスーパーセルの中にいる可能性があるので注意が必要です。続いて、危険度別に雲の状態を見ていきましょう。

寺川奈津美気象予報士:
危険度1、積乱雲。入道雲と言ったりもします。遠くから見る分にはきれいな雲ですが、この雲の真下では雨や雷が引き起こされています。ただ、これ単体でしたらそれほど悪さはしません。これが格段に大きくなると…

寺川奈津美気象予報士:
広さ数十キロメートル~100キロメートルほどあるスーパーセルになります。スーパーセルまで発達すると、もたらす被害も拡大しますので、危険度2としました。こういった雲は竜巻などを引き起こしやすいので、警戒が必要です。そしてさらに警戒が必要なのがこちらです。

寺川奈津美気象予報士:
危険度3の、線状降水帯です。これは1つ1つの積乱雲が線のように連なって、同じ場所にかかり続け、水害をもたらす雲です。
ここ最近の日本の水害はほぼすべてと言っていいほど、線状降水帯です。この雲がかかると大雨につながってしまうのですが、レーダーなど見てもらうとわかるものなので、この雲がかかったら警戒してほしいと思います。

(「直撃LIVE グッディ!」)

最終更新:8/22(木) 19:23
FNN.jpプライムオンライン

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