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フェラーリ製V8ツインターボ マセラティ・レヴァンテ・トロフェオに試乗 590psのテノール

8/22(木) 9:50配信

AUTOCAR JAPAN

590psを生むフェラーリ製V8エンジン

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

レヴァンテの中でも最も悪そうで、異常までに速いモデルが登場した。ハイエンド・ハイパフォーマンスSUVの需要は増える一方で、SUV参入には遅れ気味だったマセラティも市場の期待にこたえるのは時間の問題だったといえる。ライバルは、ポルシェ・カイエン・クーペ・ターボやレンジローバー・スポーツSVRなどツワモノ揃い。

【写真】トロフェオとグランルッソ&スポーツ (55枚)

レヴァンテ・トロフェオを簡単に説明するなら、フェラーリ譲りのエンジンが搭載されたマセラティ製SUV。フィアット・グループの資産を活用し、アルファ・ロメオのQ4と呼ばれる4輪駆動システムとトランスミッションが組み合わされる。そこにマセラティ独自のエンジニアリングを組み合わせ、世界最速のSUVの1台が誕生することになった。

エンジンはマラッネロ製の3.8L V型8気筒ユニットで、レヴァンテGTSにも採用されているもの。そこにマセラティ製のカムシャフトとバルブ、シリンダーヘッド、ピストン、コンロッドなどが組み込まれている。2基のツイン・スクロールターボを結合し、独自のエンジン・マネージメントシステムで制御。最高出力は590ps/6250rpmで、最大トルクは74.8kg-m/2500-5000rpmを発生する。

増強されたパワーを受け止めるために、シャシー周りもアップグレード。サスペンションは車高を35mm下げることができる、エアロ2モードが追加されたエアサスペンションとなる。ドライビングモードの「コルサ(レース)」の設定も新しくなり、スプリングとダンパーの設定は引き締められ、20%ほどレートが高くなっている。同時にESPの制御は緩くなり、スロットルレスポンスは一層シャープに味付け。8速ATの変速タイミングも変更された。

軽量化に努めるも車重は2170kg

4輪駆動システムを搭載するが、GTSと同様に、Q4は基本的には後輪駆動。スリップを検知した時に限り150ミリ秒という短時間で、フロントタイヤへもトルクを伝えるように切り替わる。トルク分配割合は最大で50:50となる。トロフェオを正真正銘のドライバーズカーたらしめるべく、リアアスクルには機械式のリミテッド・スリップデフも搭載。ちなみにコルサモードでは、後輪駆動状態をより長く維持するように設定されている。

これら磨き上げられたドライブトレインを最大限活かすため、ESPも最新世代のものに書き換えられた。車両前後の傾きのピッチ軸、左右のヨー軸に加えて、ステアリングホイールの舵角、路面速度、スロットルアングルやATの段数などを総合的に判断し、クルマがグリップオフする前に、事前にコンピューターが考え、構えてくれるとのこと。

そのほか、22インチの鍛造アルミホイールに、コンチネンタル製のタイヤを採用。フロントの幅は265、リアは295というスーパーカーサイズだ。そのほかにもエクステリアでは、ボンネットにえぐられたエアベントに、1Fから発想を得たというカーボンファイバー製のリアディフューザー、フロントバンパーにくり抜かれたエアベントなどが凄みを効かせる。さほど空力的に優れているようには見えないけれど。カーボンファイバー製のパーツを多用し軽量化にも努めているが、レヴァンテ・トロフェオの車重は2170kgと、軽くはない。

車内によじ登ると、1対の彫りの深いスポーツシートが目に飛び込んでくる。ヘッドレストにはトロフェオのロゴが赤く刺繍されている。インテリアの化粧パネルなど、カーボンファイバーが多様されているが、上品な織り目が美しい。シートやダッシュボードには一級品の柔らかなレザーが張られ高級感に溢れるが、目を凝らすと安っぽいプラスティック製のパーツも見えてくる。12万4900ポンド(1623万円)もするのに。

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最終更新:8/22(木) 13:32
AUTOCAR JAPAN

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