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氷河期世代の救済策が「正社員化」一辺倒は思考停止。時代は動いている。

8/23(金) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

就職氷河期世代の「就職・正社員化」に向けた支援を本格化させる方針を、政府が打ち出した。「3年間で氷河期世代の正規雇用を30万人増やす」という数値目標を掲げる。

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バブル崩壊後、新卒採用が絞り込まれた時期に学校を卒業した氷河期世代は今、30代半ばから40代半ば。「無業者」(無職で家事・通学をしていない人)が40万人、正規雇用を希望しながら非正規で働く人も50万人いるなど生活が不安定な状況にあるケースが少なくない。

やっと政府が本格的な支援に取り組むことは評価できるが、本当に必要な支援のあり方とは?いわゆるニートやひきこもりといった人たちを含む「若い世代の就労支援」に取り組む認定NPO法人・育て上げネット理事長の工藤啓さんに聞いた。

「就労支援イコール就職支援」に危機感

氷河期世代に明確な定義はないが、政府は35~44歳の1689万人をこの世代の「中心層」と位置づける。政府は2019年6月に「就職氷河期世代支援プログラム」を決定し、厚生労働省などが具体策を検討している。

育て上げネットは、氷河期世代を含む無業者などが農業や軽作業を体験しながら、働くために必要な基礎的な習慣やコミュニケーションの取り方を学んだり、ビジネスマナーやITなどのスキルを身に付けたりする場を提供。スタッフが就活や就職後の相談にも乗るなど、さまざまな支援事業を手がけている。

「育て上げネットは、国や自治体から委託された就労支援事業も担っていますが、KPI(目標の達成度を評価するための指標)は『何人が、どんな雇用形態で雇われたか』といった数字がほとんどです。

誰もが一般的な職場で、週5日働くことにマッチしているわけではありません。電車に乗れないから電車に乗れるように。電話が怖いから電話に慣れるように。意識や身体を『当たり前』に合わせる支援だけでいいのだろうか。働き方や収入を得る手段がこれだけ多様化するなか、『就労支援イコール就職支援』となることへの危機感を持つようになりました。

そこで3年前から、就労支援の幅を広げ、『働く』ことについての選択肢を増やす取り組みに力を入れています」(工藤さん)

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最終更新:8/23(金) 17:02
BUSINESS INSIDER JAPAN

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