ここから本文です

天地人

8/23(金) 0:41配信

北日本新聞

 日本のラグビーは明治半ば、英語教師が慶大で塾生に教えたことに始まる。ノンフィクション作家、後藤正治さんの『ラグビー・ロマン』によれば、大正になるとラグビー熱は京都に飛び火し、実力校がしのぎを削った。

 ラグビーを詠んだ句を多く残した俳人、山口誓子(せいし)は京都の生まれ。古都で盛んだった新興スポーツを好んだか、昭和の初めに〈ラグビー〉が冬の季語として定着したのは誓子の“功績”が大という。たとえばこんな句がある。〈ラグビーのジャケツちぎれて闘へる〉

 最新の機能を備えた〈ジャケツ〉なら、破れもせず、選手の激しい動きをサポートしてくれる。来月に開幕が迫ったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。日本代表の“勝負服”桜ジャージー(ユニホーム)はゴールドウイングループが小矢部市で開発した。

 新素材によって、「強く、軽く、動きやすい」という相反する機能を同時に実現した。「武士道精神で戦う」との思いは、兜(かぶと)をイメージした力強いデザインに。W杯の前哨戦はこのジャージーを着て見事優勝し、関係者は「勝利に貢献できる」と意を強くしていよう。

 悲願の8強を狙う日本代表は史上最強の呼び声も高い。富山の技を生かしたジャージーをまとい、鍛え上げた肉体が躍動する時を楽しみに待つとする。誓子の句をもう一つ。〈ラグビーの肉搏(う)つひゞき吾が聞きぬ〉

最終更新:8/23(金) 0:41
北日本新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事