ここから本文です

オーイシマサヨシ TVアニメ『コップクラフト』OPテーマ「楽園都市」インタビュー

8/23(金) 4:46配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

現在アニメ界にも大きな旋風を巻き起こしている感があるオーイシマサヨシ。作詞・作曲・編曲をし、ギターを弾く。もちろん歌もうまいしトークも面白い。彼が現れたとき、こんなアーティスト見たことがないと衝撃を受けた人も多かっただろう。今回はTVアニメ『コップクラフト』のオープニング主題歌「楽園都市」を歌う彼に、楽曲のことをたっぷり語ってもらった。

――あらゆるところでオーイシさんの名前を見ます。すごく活躍されていますね。

オーイシマサヨシ 言うても、キャリア的にはそんなに長くないんですけどね。ご一緒させていただくアニソンシンガーの方が、たまにめっちゃていねいに楽屋に挨拶をしに来てくれるんですよ。新人の演歌歌手が小林幸子さんの楽屋に訪れるようなテンション感で来られるんですけど、カタカナのオーイシマサヨシを立ち上げてから、まだ5年くらいしか経ってないですからね。だから何も出てこないよ?って思うんですけど(笑)。自分の気持ち的には中堅くらいにしか思ってないんです。

――Sound Schedule時代から知っていると、アーティストとしてのキャリアは長いイメージですよ。

オーイシ たしかに(笑)。それも加味されるんでしょうけどね。手前味噌ですけど、若く見られるほうなので。でも調べると結構歳いってるな……みたいな(笑)。

――あとステージでの存在感ですよね。あの慣れてる感!(笑)。MCが毎度面白いですし。

オーイシ それも言ってみるもんなんですよ(笑)。それこそバンドではMCがそれほど得意な人間でもなかったですし、なんならMCをしないライブをやってみようとして、ファンの方にすごく反対されたり、いろんなことを試してきたバンドだったんですけど、このアイコンを立ち上げるとき、名前をカタカナのオーイシマサヨシにして、メガネを掛けてキャラ付けもしていこうという中で出てきたのが、最初の口上でもある「おしゃべりクソメガネ」なんですよ。だから、お客さんに楽しんでもらう形を取ろう、パフォーマーとして、エンターテイナーとして、自分をステージや音源で表現しようと思って出てきたものなんです。そうやってしゃべらざるを得ない状況ができたから、おしゃべりを始めたっていう。

――メガネの印象づけは大事でしたよね。

オーイシ そうなんですよ!おしゃべりとメガネって親和性があるみたいなんです(笑)。でも昔から知ってる方にお会いすると驚かられるんです。ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーって、僕が20歳の頃からの付き合いなので、20年間近く見ていただいてるんですけど、ソロの大石昌良になってからはあまり連絡を取らなくなっていたんです。でも彼はサブカル方面でのヒットアナウンサーでもあったので、こっちでばったり会ったとき、僕が急におしゃべりクソメガネになっていたものだから「どうしたの?中身入れ替わったの?」って言われたりして(笑)。

――そうなりますよね(笑)。でも、実際はあまり変わってないんですよね?

オーイシ そうですね。楽屋にいるときとか、僕は全然しゃべらないので、おしゃべりが取れたただのクソメガネになるんです。しかも、メガネもかけてないときがあるから、多分クソなんです。だから昔から知ってる方は、今の状況が不思議でしょうがないでしょうね(笑)。(※オーイシのメガネは伊達メガネ)

――でもおしゃべりなオーイシさんしか知らない人もいますから。

オーイシ 全然いますよ。インタビュアーさんも、昔から知ってる方なら音楽人然としたお答えをしますけど、アニメアカウントから入った方の場合はテンション高めに行きますし(笑)。だいたいそういう場合、太字になる部分が違うんですよ。ボケが太字になってるかどうかでわかるっていう(笑)。

――現在放送中のTVアニメ『コップクラフト』の主題歌である「楽園都市」がリリースされますね。

オーイシ 作品が、古き良き相棒・刑事モノでもあるので、そこに焦点を合わせる方法もあったし、世界観がしっかりしているのでメッセージが抽出できるモチーフはたくさんあったんですけど、その中でいちばん全部がパッケージできるもの、全話で流れていてもおかしくないものと考えたとき、「街」にスポットを当てた曲にしようと思いました。

――曲の始まりが『ルパン三世』っぽくて、かなりアガりました。

オーイシ ド頭はそうですね。自分なりのツカミとして、こういうアニメですよという色味がわかるようなフレーズを入れようと思ったんです。もともと(『ルパン三世』の音楽を手掛ける)大野雄二さんが大好きなので、それが浮かびました。あとは『カウボーイビバップ』の「Tank!」とかもそうですよね。

――今やアニメでハードボイルドと言えば、こういう感じの曲となってますからね。

オーイシ ただ、意外と似ているねと言われるし、狙ってはいますけど、実際に並べて聴いてみると全然違っていたりはするんですけどね。

――ジャズが流れると連想してしまうんですよね。ただ、その先はまったく違っていて、歌謡曲のような懐かしさと、夏っぽさというか。全体的にどこかで聴いたことがあるような感じが漂っていました。

オーイシ これにはいろんな経緯があるんですけど、元々ハードボイルドな作品という色味があったので、ハードボイルドでちょっとダーク、そして渋さを表現するために大野さんの系譜とか、ジャズっぽい要素は不可欠だろうなと思っていました。そこから、どこか懐かしいバディものの要素みたいなところで、歌謡曲というのが出てきたんです。それと夏っぽいと言われましたけど、ラテンの要素が入っているんです。でもそれは夏という意味ではなく、普段日本人がそんなに耳にする音楽ではない、それこそ色物のようなものはないだろうかと考えていたんです。で、僕的にラテンって高度な音楽というイメージが強かったというのと、今回の作品は異世界から少女が来るんですけど、その子がしゃべる言語の知らなさ加減が、日本人から見た第三言語のような気がしたんです。それもアジア圏の言葉ではなく、どこかスパニッシュなニュアンスを感じて、そこから着想を得て、スパニッシュと言えばラテンかなと思い、ラテンの要素を入れたんです。だから歌詞の最後に“パライーソ”って言葉を入れたんですけど。

――ここで急にスペイン語が入るので驚いたんです。でもラテンの感じがあるからかな?くらいでしたけど、そこまで深く考えて辿り着いていたんですね。

オーイシ 要はこれだけで三つ巴というか。ラテンジャズというジャンルはあるけど、ラテンとジャズと歌謡曲のごちゃまぜ感。ド頭からAメロ・Bメロ・サビでどんどん場面が切り替わっていく時間軸の速さみたいなものも都会っぽいなと思ったんです。それと、あえての歌謡曲/懐メロっぽさで、どこかで聴いたことがある感じを抽出したのって、現代のサンプリングミュージックの系譜でもあるんです。今パッチワークだったり、リバイバルブームだったりがあるけど、古き良き何かというのをいろいろ貼り付けて構成するというのも都会っぽさなのかなって。だから、都会のスマートさ、トレンドっていうよりは、都会の雑多な、ごちゃごちゃした感じにつながると思ったんです。

――作品に出てくるサンテレサ市も、異世界からの人種と地球人が入り混じり、いろいろな文化がある中で、主人公たちが生活しているので、そこに繋がるんですね。

オーイシ 僕は田舎者なんですけど、東京ってサンテレサ市みたいなものなんですよね。そこで作品の世界観と、自分が生きている現実世界のリンクポイントが見つかったときに歌詞がサクサクと書けたので……。

――だからこそ音楽的にも都会っぽさが必要だったと。すべてに意味があるんですね。

オーイシ いやいや、いろいろな着想があってこそなんですけど、これだけ言っておいて、これは第二稿で、実は最初はもっと明るい、それこそオーイシマサヨシが作っていそうなファンクっぽい曲だったんです。それはそれで良かったんですけど、自分でリテイクをしたんです。時間がないさなかではあったんですけど、おかげでこの曲ができました。『コップクラフト』っていろいろな側面があるので、どう切り取っても味が出るなと思ったし、僕含めて、みんな選んだのがこっちだったんです。

――カップリングには、アニメ『「モンスターストライク」~ノア 方舟の救世主~』の主題歌「Hero」が収録されていますが、作品ってポストアポカリプス的な世界観の話で、惑星にひとり取り残されたノアが主人公ですよね。でも曲は、そのことを歌っているわけではないイメージでした。

オーイシ ノアのヒーロー性を表現するのはもちろんですが、ノアは現シリーズの最後のヒーローなので、『モンストアニメ』に登場するヒーローたちを統括するようなニュアンスも込めてほしいとアニメサイドから言われていたんです。なのでノアだけに留まらず、その先の物語を包括し、続いていくような楽曲になっているんです。

――だからヒーロー然としたカッコいい曲だったんですね。アニメの映像を見たとき、どう思いました?

オーイシ YouTubeの配信だけにはとどまらないというか、もったいないと思えるほどのクオリティで、普通に映画のクオリティですよね?

――アクションの動きとかは、本当にものすごいです。

オーイシ これ、普通にタダで見れちゃっていいんですか?みたいな感じで、悪いことをしている気分になるんですよ(笑)。でも、劇場版クオリティーの配信アニメだとしても、そこを担保できるような、支えられるような主題歌がいいよねという話をしていて。曲はコンペだったんですけど、歌詞は『ウルトラマンR/B』の「Hands」を書いてくれた園田健太郎くんに書いてもらって、アレンジはebaくんという、うちの事務所の手練のアレンジャーにお願いしたんです。彼はラウドロックを得意としているので、気持ちのいい疾走感のある楽曲に仕上げてくれました。

――「Departure」は、同作の挿入歌ですが、具体的に言うとネタバレになりそうなのですが、希望も込めた歌声に聴こえました。

オーイシ タイトルは出発という意味なので、新しい門出と別れは意味しているんですけど、進むべき場所や物があるので、ただの喪失感だけでは終わらせないボーカルというのは、心がけましたね。

――キャストの斉藤壮馬さんや田所あずささんにお会いしたとき、オーイシさんが主題歌なら間違いないとおっしゃってましたよ。

オーイシ まぁ、斉藤壮馬が言ってくれるなら間違いないかもしれないけど、田所あずさ、彼女はどうですかね。結構話を合わせるところがあるので、ちょっとわからないですね~(笑)。斉藤壮馬は本音だと思うんですけど……。いやいや、ふたりともそう思っていただいて、ありがたいです。

Interview & Text By 塚越淳一

●リリース情報
TVアニメ『コップクラフト』OPテーマ
「楽園都市」
8月21日発売

【通常盤】

品番:PCCG.01806
価格:¥1,250+税

【アニメジャケット盤】

品番:PCCG.01805
価格:¥1,250+税

<CD>
1.楽園都市(TVアニメ「コップクラフト」OPテーマ)
2.Hero(アニメ「モンスターストライク」~ノア 方舟の救世主~主題歌)
3.Departure(アニメ「モンスターストライク」~ノア 方舟の救世主~挿入歌)
4.楽園都市(TV edit.)
5.楽園都市(KARAOKE)
6.Hero(KARAOKE)
7.Departure(KARAOKE)

●作品情報
TVアニメ『コップクラフト』

放送中

TOKYO MX 毎週(月)24時00分より
KBS京都 毎週(月) 24時30分より
BS11 毎週(月) 24時00分より
AT-X 毎週(月)24時30分より
(リピート放送:毎週水曜16時30分より/毎週土曜8時30分より/毎週日曜26時30分より)
WOWOW 毎週(水) 24時30分より
※放送日時は都合により変更になる場合がございます。

【スタッフ】
原作:賀東招二『コップクラフト DRAGNET MIRAGE RELOADED(小学館「ガガガ文庫」刊)』
キャラクター原案:村田蓮爾
監督:板垣伸
シリーズ構成:賀東招二
キャラクターデザイン:木村博美
美術監督:坂上裕文・加藤浩(ととにゃん)
色彩設計:山上愛子(T.D.I)
撮影監督:大見有正(天狗工房)
編集:平木大輔(アッセフィノーファブリック)
音楽:岩崎琢
音響監督:郷田ほづみ
アニメーション制作:ミルパンセ

【キャスト】
ケイ・マトバ CV:津田健次郎
ティラナ・エクセディリカ CV:吉岡茉祐

アニメ「モンスターストライク」」~ノア 方舟の救世主~

【スタッフ】
監督:辻本 貴則
CG監督:斎藤 瑞季
企画:伊香 佑志
シリーズ構成:本田 雅也
アートディレクター:伊藤 嘉康
音響監督:明田川 仁
背景美術監督:徳田 俊之
主題歌制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:StudioGOONEYS
製作:XFLAG

【キャスト】
ノア :斉藤 壮馬
オペコ:田所 あずさ
パンドラ:小倉 唯
ケセド:千葉 繁

(C)賀東招二・小学館/STPD

関連リンク
大石昌良・オーイシマサヨシ 公式サイト CLUB014TVアニメ「コップクラフト」公式サイト

最終更新:8/23(金) 4:46
M-ON!Press(エムオンプレス)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事