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中高年は唾液量が減っても気づかずに歯周病を進行させてしまう

8/23(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【猛暑に気を付けたい病気】#11 歯周病

 いまの時季、熱中症はもちろんだが歯周病にも気を付けたい。歯周病は唾液の分泌量が減ることなどで口腔内が乾燥し、歯周病菌が増えることなどで発症する。とくに口渇感が乏しい中高年は、唾液が減っていることに気付かずに知らず知らずのうちに歯周病を進行させることもあるから要注意だ。「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。

「中高年の口の中が乾燥しやすいのは、唾液腺の衰えや薬の副作用、唾液が出にくい糖尿病や老人性うつ病など唾液量が減って口腔内が乾きやすい要素が多いからです」

 しかも、猛暑下では睡眠不足や偏った食事により唾液の分泌を担う神経が乱れやすい。そうめんやうどんなど軟らかい食べ物を噛まずに流し込むことも多くなるため、通常の20~30倍分泌される食事中の唾液量も減る。

「ヒトは1日に500~600ミリリットルの唾液を分泌していますが、その99%は水分。猛暑で全身の水分が抜けて、唾液のもとである水分が減れば唾液量が減るのは当然です」

 困ったことに中高年は唾液が減って自分の口腔内が乾いているかどうか自覚しにくい。

 実際、東京農業大学の研究者らが報告した「夏期暑熱環境下ハウス栽培作業時における農業従事者の体温調節反応」を見ると、ハウス内で作業をしている農業従事者の口渇感は作業経過にともない有意に増大したが、年齢と口渇感の差には有意な負の相関関係があって、高齢になるほど口渇感の変化量は少なかったという。

 つまり、年を重ねるごとに口渇感が薄れていくということだ。

「ハウス内での作業は都会の事務作業者から見れば特殊な環境ですが、ある意味、猛暑での生理作用を強調したものです。猛暑の中で、中高年が若い人に比べて口が乾いた感覚が低いということは、水分補給のタイミングが遅れて熱中症のリスクが高まるだけでなく、歯周病リスクも高くなるということでもあるのです」

 では口渇感が乏しい中高年は歯周病から身を守るのに、どうすればいいのか? 大切なのは、口臭に気を配ることだ。

「口腔内で歯周病菌が増えれば異臭を放ちます。唾液を指で触って乾かし嗅いでみるといいでしょう。“それでは客観性がない”という人は市販の口臭チェッカーを使うのもいいかもしれません」

 ちなみに、口臭には種類がある。起床直後や空腹時、緊張時に強まる「生理的口臭」、ニンニクやネギや飲酒や喫煙による「飲食物・嗜好品による口臭」、「ストレスによる口臭」などだ。これらは飲食や水分補給などで比較的簡単に解消できる。しかし、鼻や喉、糖尿病などの病気による口臭はそうではない。

「これを病的口臭といいますが、この9割以上は主に歯周病菌が原因です。それを引き起こしているのが口腔内の乾燥なのです。心当たりのある人は、ナッツや野菜など歯ごたえのあるものを食べて口の周りの筋肉を鍛えて、唾液が出やすい環境を整えることです。乾燥した昆布をひとかけら噛むことで唾液量が増えますが、塩分が多い場合は水で洗ってから噛みましょう」

最終更新:8/23(金) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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