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「みんなAIを難しく考えすぎ」「本当に必要か考えて」 AIに振り回される会社の共通点

8/23(金) 7:10配信

ITmedia NEWS

 「日本企業がもっとAIを活用するにはどうすればいいのか」「そもそも、企業の成長にAIは不可欠なのか」――日本のAIを巡る現状について考える対談企画の後編です。

メルカリがAIを使う理由【画像】

 今回対談したのは、ITmedia NEWSでAI開発の現状を伝える「マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!」を連載しているマスクド・アナライズさんと、自社サービスで積極的にAIを活用しているメルカリ取締役CPO(Chief Product Officer)の濱田優貴さん。前回は「日本がAI後進国といわれる原因」や「なぜ中国企業のスピード感に日本は追いつけないのか」などをテーマに議論しました。

 もはや強迫的ともいえる「企業はAIを使うべし」という言葉に対して思うところを率直に語ってもらいました。

ビジネスにAIは必要か?

――(聞き手、松本)孫さんは「SoftBank World 2019」で「『AIに何ができる』と低く評価するのは、時代錯誤も甚だしい」と発言しました。それでも、AIは本当に必要なのかという議論は必要だと思っています。なぜなら、私たちはこの5年くらいAIに振り回されっぱなしです。ビジネスを成長させるためにAIが必要というのは、一種のマウンティングのように思えています。

マスクド:ビジネスを成長させる上でAIがマストかどうかという話ですね。大量のデータが必要な仕事や、勘や経験で意思決定をしてきた職種などは必要になってくると思いますね。ただAIじゃなくても良いんじゃないかと思う分野はたくさんあります。

 例えば「FAXや紙書類をAIで読み取って時間を削減できました」というプレスリリースがあります。でも、そこはデジタルな入力フォームを使う選択肢もあるわけですよ。それなのに、わざわざAI化する理由は何でしょうか。AI化にメリットがあるのは当然ですが、AI化する必要性が抜けている。

濱田:AIがマストかどうかは業界によりますよね。

マスクド:この前、本を売るためにメルカリアプリを使いましたが、スマホで本を撮影するだけで、本の名前や落札想定価格なんかが出てきますよね。これだけ簡単ならうちの母親でも使えそうだなと思いました。オペレーションを変えれば済む話と、技術でイノベーションを起こしていく話は分けて考えないといけません。

濱田:私たちが目指しているのは「売ることを極限まで簡単にすること」で、社内では「売るを空気に」と言っています。なので「売ることを簡単にするために、AIを使うと良いのでは」という仮説からAI導入が始まっています。

 売るのに比べて、買うのは簡単じゃないですか。でも、Amazonやインターネットが登場する前は買うのだって大変でしたよね。モノを買うためにはお店に行かなきゃいけなかったし、他にはFAXを送るか電話するくらいしかありませんでした。

 ただ、売るのはまだまだ難しいなと。Amazonが買うことを簡単にしているなら、私たちは売ることを簡単にしたい。それを実現するにはAIを使わないと無理だよねという発想です。

マスクド:売るを簡単にという点では、出品だけでなく発送も楽になっていますよね。コンビニに行って、シールを貼るだけ。それはAIではなく仕組みで解決する問題です。AIか仕組みか、分けて考えていければ良いですよね。

濱田:そうですね、そこで無理やりAIをねじ込んでも(笑)。

マスクド:そうそう(笑)。コンビニに行けばすぐに済むっていう手軽さが良いんです。

濱田:そこで「発送ロボットを作ろう」「AIロボットを作ろう」と考えても、まだ実現には遠いですよね。いずれそういう時期が来るのかもしれませんけど。

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最終更新:8/23(金) 7:10
ITmedia NEWS

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