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『おっさんずラブ』が純度の高い恋愛ドラマを貫き通せた奇跡

8/23(金) 9:00配信

オリコン

■「Film makers(映画と人 これまで、そして、これから)」第17回 貴島彩理プロデューサー

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 2016年12月末に「年の瀬 変愛ドラマ第3夜」として単発ドラマで放送された『おっさんずラブ』は、視聴者の熱い思いを受け、その後、連続ドラマ、そして映画化へと大きな躍進を遂げた。“視聴率”という指標のみでみれば、苦戦していた作品が、なぜここまで大きな広がりを見せたのだろうか――。単発ドラマからプロデューサーを務めたテレビ朝日の貴島彩理氏に話を聞いた。

■単発ドラマから連ドラへ

 企画の始まりは、テレビ朝日が若手のトライアル枠として設けた「年の瀬 変愛ドラマ」への応募からだった。当時20代半ばだった貴島プロデューサーは『おっさんずラブ』の企画を提出し採用。2016年の年末に放送されたドラマは「面白いものができた」という自負はあったものの、次のステップに進むだけの広がりを見せることは、この時点ではまったく思っていなかったという。

 しかし、放送終了後、テレビ朝日の視聴者センターには「すごく面白かった」「続きが見たい」という声がたくさん届いた。「どのドラマでも視聴者の声は届くものですが、その量と熱量がものすごく高かったんです」と貴島プロデューサーは当時を振り返る。時を同じくしてテレビ朝日では、若手の企画や自由な発想を具現化する土曜ナイトドラマという枠が生まれた。その枠の企画の一つとして「おっさんずラブ」の連続ドラマ化の声が上がったという。

 「単発ドラマが終わったあと、キャストやスタッフと『連続ドラマになったらいいのにね』と夢を語ってはいたのですが、まさか本当にやらせて頂けるとは思っていなかった」と連続ドラマ化には正直驚いたという。そこからは「連続ドラマにするならば、単発の続きを描くべきか、それとも一から話を作った方がいいのか」という問題に頭を悩ませた。「脚本家の徳尾浩司さんと、一緒にドラマを作ってきた三輪祐見子プロデューサー、神馬由季プロデューサー、松野千鶴子プロデューサーと議論を重ねました」。

 出した結論は「1から連続ドラマを作りなおそう」というものだった。「単発ドラマは1時間のパッケージで悔いなく作った物語。これから全7話作るのであれば、世界観ごと一新して、単発では描けなかったキャラクターたちの周囲の人間関係を深く掘り下げ輪を広げていく方が、奥行きが出ると思いました」。

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最終更新:8/25(日) 8:25
オリコン

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