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2億円超で幼い我が子救えるなら-遺伝子治療薬で家族が奔走

8/23(金) 12:39配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 遺伝子治療は米医療システムの最も優れた点を引き出しつつ、欠点も浮き彫りにしている。

米食品医薬品局(FDA)が脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療薬として承認した「ゾルゲンスマ」は、乳幼児にとって命取りとなり得る筋肉の希少疾患を1回の投与で治療するとされる(投与後も遺伝的要因は消えないが、死に至る症状は出ない)。FDAが5月24日に承認後、スイスの製薬会社ノバルティスは価格を210万ドル(約2億2400万円)に設定、世界で最も高価な治療薬になった。

新たな治療薬は医師や医療システムが最適化できるまで常に時間がかかるものだが、今回のように非従来型の画期的治療薬ならなおさらだ。高価なゾルゲンスマの恩恵にあずかりたい患者側の切実な問題も状況を一段と複雑にする。米国のSMA新生児数は毎年400人程度だが、治療を受けなければ多くが2歳になる前に死亡する。

ゾルゲンスマについては全ての大手保険会社が適用対象とする一方、その3分の1は2歳未満への使用を承認したFDAより厳しい基準を設けている。米最大手のユナイテッドヘルスケアなどは当初のポリシーを見直し、FDAの承認内容に沿って適用を変更したが、アンセム・ブルー・クロス・ブルー・シールドなどは6カ月未満の患者に制限している。

同薬を開発したノバルティスの部門でプレジデントを務めるデーブ・レノン氏は「新薬の市場投入時に保険会社の理解を得ることはいつも課題だ」と指摘した。   SMAの乳幼児が治療を受けて無事成長できるよう、奔走した家族の一例をここに紹介しよう。

ポートフォリオマネジャーのラジディープ・パトギリ氏と同氏の妻は、2018年9月に英国で生まれトラと名付けた自分たちの娘があまり動かないことに、翌年1月までに気が付いた。インターネットで症状を検索すると、SMAに関する結果が数件出てきたため、同氏は娘を医療施設に連れていった。しかし、発達が遅れている可能性が高いと医師に指摘されるだけだった。

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最終更新:8/23(金) 12:39
Bloomberg

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