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アバンティーズ「悲劇のヒーローみたいに見られていた」再出発した3人の決意

8/24(土) 10:00配信

エキサイトミュージック

YouTuberとして活躍するUUUM所属のクリエイター・アバンティーズ。2019年1月に不慮の事故でメンバーを亡くし、喪に伏し、新たな決意と共に活動再開をして約1シーズンが過ぎた。「彼のことは決して忘れはしないし、心のどこかにはいる。しかし悲劇のヒーローみたいに取り扱われるのは、今となっては少し違う。俺たちは次に向かっているのだから」と、力強く語ったそらちぃ、リクヲ、ツリメの3人。

4人でやってきたYouTuberの活動はもちろん、音楽活動も現在、この3人で全力で行っている。そんな彼らが満を持してCDデビュー。YouTuberがCDを出すひとつの意義として、「動画制作だけではできない表現」として音楽にも取り組んだアバンティーズが、に引き続き語られる、初のEP『old color』への思い。そこには急逝したメンバー・エイジへの思いも込められていた。




エイちゃんの音声が残っていたので、そこを活かさせてもらった(そらちぃ)

――収録曲「妄想」には故・エイジさんの歌声が入っているのが印象的でした。

そらちぃ:エイちゃん(エイジ)のバースに関しては、スタジオに彼の音声が残っていたので、そこを活かさせてもらいました。逆にユニゾンのところはこの3人が歌うことに意味があると思い、あえて3人で歌いました。これも含め、エイちゃんが歌うべきバースは3人で歌っています。

――そうだったんですね。

そらちぃ:深い話をすると、「アバみ」の構成が俺から始まって、りっくん、ツリメ、エイちゃんって順序だったんです。で、ラストに入っていてる「Red Line」に関しては、構成として、自分、りっくん、ツリメときて最後エイちゃんのバースが「アバみ」は8小節だったんですが、ここを16小節にしてユニゾンで作っているという。そこにも意味を込めてみました。いわゆる「アバみ」から発生したその遺伝子を引き継いで「Red Line」に持ち込んだ、みたいな。

――この「Red Line」はリリックの内容的にも、エイジさんに捧げられたと思しき曲です。

そらちぃ:その気持ちは強いです。正直、思うことや捧げる気持ちは強くありましたが、全部が全部そうなるのは抑え、あえて1曲だけ音楽を通して彼や彼を好きだった人にも伝えられたらいいなとの想いで作りました。

――リリックも<俺たちはまだ歩みを止めない/出会えたらきっとこの歌を(捧ぐ)>など、彼に向けて的でありつつ、「今後は彼の意志や気持ちを受け継ぎ、この3人で頑張っていくよ」との宣言のように響きました。

そらちぃ:感傷的な曲にはしたくなかったんです。実際、自分たちもしっかりと前を向いたつもりだし、今の俺たちの現状をそのまま投影した曲ですね。

ツリメ:この曲のトラックはかなり幻想的で、他の曲とは違った雰囲気ではありますよね。

――エイジくんに捧げるや届け、みたいな気概はありましたか?

ツリメ:もちろん歌っていてそんな気持ちを込めて歌いました。

そらちぃ:大体、「届け!」っていうより「聴け!」でしょう。「聴け、このクソ野郎!」って(笑)。実際そんなリリックもあるし。でも、ここでの「クソ」は愛しているからこそ言える「クソ」であって。愛着のあるクソ野郎って意味なんです。でもその辺りも、ここまでの4人時代からの自分たちの関係性を見てきている視聴者の方ならきちんと理解してくれると確信しています。

ほかにもこの曲には、ここまでの4人やエイちゃんに向けてのエッセンスが散りばめられているし。その辺りもここまで観てくれた皆さんは、一緒になって気持ちをより共有してくれるんじゃないかな。……すみません、俺ら音楽に関するこんな本格的なインタビューが初だったので嬉しくてついついべらべらと(笑)。

これから3人で頑張っていこうとの決意の作品(リクヲ)

――この「Red Line」に限らずアバンティーズの各楽曲からは色の名前がタイトルや歌によく出てきますね。

そらちぃ:多才で多彩、それを表したかったんです(笑)。俺たちYouTube上で各々のカラーを大切にしてきて。エイちゃんだったら赤、俺だったら青、りっくんは緑、ツリメだったら黄色だったり。その4色だけが自分たちのイメージにはあると思うんです。でも、今回はもっと俺らのクリエイティブな面や人間としての面も知ってもらいたいし、そこには普段の3~4色の他にも色々な色があることを知ってほしくて。

――「Black Joke」はかなり物申す系で、もしかしたら物議を醸す懸念もありそうです。

そらちぃ:これが実際の俺らっすよ。俺らも世の中や色々なものに対して思うことは沢山あるわけで。言いたいことは言うぞと。でも、言うからには逆に何を言われてもいいとの覚悟は持ってます。

――それと対照的に感じたのが「Orange Sugar」でした。今は何を言われても飲み込む。今に分かってくれるはずだから、そんな逆の真理を察しました。

そらちぃ:アルバムのなかで、唯一のナードな曲ですね。ナードな曲は作らないとのポリシーのもと制作しましたが、この曲だけ例外で。そのナードのなかの前向きさを察してほしく作りました。この曲は朝方に書いたんです。コーヒーを飲みながら。その時のコーヒーの苦さと感情の苦さにかかっているのと、朝日が砂糖みたいに入ってきた、そんな気持ちや心境、状況を歌にしました。飲み込んだけど、やはり辛いなって。

――具体的にはどういったことでしょう?

そらちぃ:やはりその時の自分たちは、どこか「悲劇のヒーロー」みたいに見られていたところも多くて。その可哀想や健気に見られる、その印象や状況に困惑するところもあったんです。確かに事実だし、仕方ないけど、実際の自分たちは乗り越えて、全てを受け入れて、全てをかみ砕いて、今、ここに立っているわけだから。

リクヲ:そらの言う通りで、僕らは頑張っていこうと決意していて。その辺りも含め、自分たちの今の気持ち、これからの気持ち、伝えたいことやメッセージ、向かっていくべき方向がこの作品には込められたかなと。

物議を醸すくらいのことを音楽でもやってみたい(ツリメ)

――最後に今後のミュージシャンとして、YouTuberの両立についてのビジョンをお聞かせ下さい。

そらちぃ:88rising(海外の有名な音楽レーベル)にJojiというアーティストが居て。彼はかつてYouTuberとしても成功している方で。どちらもやっていてカッコいい、みたいな。日本でも俺らもそんな存在になれたらなって。音楽シーンでもYouTubeシーンでも唯一無二な存在でいたいです。

リクヲ:俺はもっともっと自分のスキルを上げたいです。今回の作品作りは全面的にそらに任せちゃったんですが、3人平等で作れるまで自分もスキルアップしなくちゃなって。ラップも含めて。

ツリメ:音楽面で言うと、僕はカニエ・ウェストが大好きで。彼ってすごく物議を醸すじゃないですか。MV等を出しても賛否両論あったり騒がれたりする。僕もそんなのを作りたいなって。非にも惹かれるところがあるから口を出したくなるからだろうし。物議を醸すぐらいのことをやりたいですね。

そらちぃ:普段の動画と今作で、自分たちの言いたいこと、伝えたいことは、裏も表も含めてほぼ伝えられたかなって。動画制作ではやはり自分の中でも制御しなくちゃいけない部分もあるし、そういう制御しながらの動画制作活動があるからこその音楽や、音楽があるからこその動画制作の連動性や関連性は今後も両立させていきたいです。今はYouTuberとしての自分たちのファンが中心でしょうが、最終的には、「YouTuberとしてのアバンティーズが好き」という方と、「ミュージシャンとしてのアバンティーズが好き」「YouTubeは見ないけどアバンティーズの音楽は聴く!」、そんな方々がそれぞれに現れてくれるかもしれない。そこもひとつの目標にしていきたいです。

最終更新:9/3(火) 13:45
エキサイトミュージック

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