ここから本文です

不登校を生む教育現場の課題(2)「スポーツ推薦」「スクールカウンセラー」の真実――子どもが不登校・ひきこもりにならない/から脱出するための子育て術

8/24(土) 16:00配信

本がすき。

2019年5月。元号が平成から令和に変わり、日本中が新しい時代の幕開けに心躍らせていた矢先に起こったのが、スクールバス襲撃や元農水省幹部の長男刺殺といった「ひきこもり」に関連した凄惨な事件の数々でした。若者の不登校・ひきこもり問題に30年以上支援活動を続け、延べ1万人以上の生徒を立ち直らせてきた著者が、事例を踏まえて解決の糸口を贈る『不登校・ひきこもりの9割は治せる』(7月18日発売・光文社刊)より、不登校を引き起こす教育現場の内情についてご紹介します。「スポーツ推薦」、「スクールカウンセラー」編です。

◆スポーツ推薦は退部=退学?

もうひとつ、私立校で不登校や退学になりやすい背景に、スポーツ推薦制度があります。

昨年は日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル事件を皮切りに、スポーツ現場でのパワハラ問題が相次ぎましたが、事の本質は同じです。

朝日新聞記者の中小路徹さんのスポーツ推薦や部活動の問題に迫った『脱ブラック部活』(洋泉社)という本にも詳しく現状が書かれています(私もこの取材に協力しています)。

スポーツの強豪校では、部活動の成績が学校の知名度や評価に直結しますから、監督やコーチも、勝てれば何をやってもいいといったマインドになりがちです。先輩からのしごき、いじめもあります。

相談を受けたあるケースでは、柔道部で先輩からのいじめがありました。

団体戦に出られる選手は1年生から3年生までを含めて5人だけなので、実力のある1年生が、試合に出られない3年生の先輩に猛烈ないじめを受けるのです。

こうしたことはたいてい、大人が見ていないところで起こります。相談に来た生徒は、先輩から「締め技ってこうなんだぞ」と死にそうになるくらいの技をかけられたり、わざと耳をつぶされたり、指一本だけを持って背負い投げされて、けがをしたりしたといいます。

こうしたパワハラを受けて部活を辞めようとしても、スポーツ推薦で入学した場合、部活を辞めてしまうと、事実上高校生活自体を続けられなくなります。

部活のスポーツばかりをやらされて、きちんと勉強を教えてもらっていないので、スポーツ推薦の生徒が在籍するコース以外の普通コースに移れないのです。実際にあったハルトくん、リュウタくんの例をあげます。

1/3ページ

最終更新:8/24(土) 16:00
本がすき。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事