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不登校を生む教育現場の課題(2)「スポーツ推薦」「スクールカウンセラー」の真実――子どもが不登校・ひきこもりにならない/から脱出するための子育て術

8/24(土) 16:00配信

本がすき。

【リュウタくんの事例】

(現在、通信制高校2年生。サッカーのスポーツ推薦で私立高校に入学し、先輩から執拗ないじめを受けて退学。その後通信制高校で高卒資格取得を目指している)

リュウタくんは幼稚園生の時にサッカーを始め、地元のクラブチームでめきめきと力をつけて、小学生の時は全国大会で活躍し、海外へサッカー留学していました。

現地では朝から昼までサッカーの練習で、昼ご飯の時だけ日本語学校へ行き、ご飯を食べながら勉強しました。

午後はまたサッカーの練習をして、サッカー漬けの毎日を送っていました。中学校3年生で日本へ帰国すると、全国の高校からスポーツ推薦入学のオファーが来たといいます。

そのなかのひとつのサッカー名門高校に進学しましたが、リュウタくんは1年生なのに最初からレギュラーで特別待遇だったことが、先輩たちのいじめにつながりました。

いじめをするのは、レギュラー以外の2年生、3年生です。部室に呼び出され、先輩たちに周りを囲まれて、スパイクで体を蹴られるなどの暴行を受けました。いじめは半年くらい続いたといいます。

監督もまるで独裁者のようで、自分の思った通りにしないと、試合にも出してもらえず、個人攻撃されたそうです。

「自分のプレーの質も落ちるし、モチベーションもなくなった」とリュウタくんは退学しました。現在は通信制高校で高校卒業資格を取るのを目標にしながら、同時にクラブチームでサッカーの練習をしてプロを目指しています。

これまで見てきたように、私立校で不登校や中退、ひきこもりが生まれる背景はさまざまです。ただ、学校側がその対策をとっているかどうかといえば、私は不十分だと考えています。

◆スクールカウンセラーへの過剰な期待

私立側が不登校対策としてよくあげているのが、スクールカウンセラーです。「スクールカウンセラーが週に3日来ているので相談できます」などと、胸をはって言いますが、私に言わせれば、何の解決にもなりません。

なぜかというと、カウンセラーは聞くだけだからです。受容して肯定するだけなのです。

「不登校なのです。どうしたらいいですか」と相談しても、「そうなのね、不登校なのね」と言うだけ、肯定するだけで終わってしまいます。確かに生徒や親の気持ちを肯定することも非常に大事ですが、そこから先に進めません。

また、スクールカウンセラーは外部委託の場合が多く、学校内の人間関係もほぼわかっていません。

「A先生がこうで、B先生がこう言った」と相談されても、わかってあげられないのです。「ああ、B先生、ちょっと面倒臭いところあるよね」などと生徒に共感してあげることもできません。ですから、適切なアドバイスをしにくいのです。

「スクールカウンセラーに相談して、カウンセラーさんと仲良くなったはいいけど、その後、結局何も事態は変わらず困っています」といって当会に相談に来るケースはよくあります。

当たり前ですが、先生は自分のクラスの担任だけでなく、教科ごとにいます。9教科あれば9人の先生がいるわけです。

担任の先生に悩みを相談できればいいのですが、担任の先生と相性が合わない場合もあります。それなら別の先生に相談すればいいのです。

すると、学校内の人間関係もよくわかっているので、生徒の納得するアドバイスができるのですが、最近多い外部委託のカウンセラーでは、ほとんど話が通じなくなっているのです。

不登校の子が学校へ行くようになるために、ひきこもりの子が自分の部屋から出てくるために必要なのは、カウンセラーのような自分と全く違うポジションにいる人ではありません。

一番効果があるのは、親でも先生でもない、ちょっと前まで自分と同じ体験をしていたような、同じくらいの年齢の友達と関わることなのです。

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最終更新:8/24(土) 16:00
本がすき。

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