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才気あふれるSOFT BALLETの名盤『愛と平和』

8/24(土) 18:03配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回は才気あふれるSOFT BALLETの『愛と平和』を紹介したい。1995年に解散を発表し、その7年後に復活したものの再び、活動休止状態に突入したSOFT BALLET。その理由は個性の強さゆえのメンバー間の関係性にあると噂されてきた。そんなSOFT BALLETの名盤のひとつと言えば1991年に発表された『愛と平和』だと思う。
※本稿は2015年に掲載

三者三様の個性とキャッチーで中毒性のある楽曲

YMOや荒井由実、シーナ&ロケッツなど尖ったアーティストたちを数多く輩出してきたアルファレコードから1989年にデビューを飾ったSOFT BALLETは当時から衝撃的な存在だった。ニューウェイブ、テクノの匂いがプンプンする遠藤遼一(Vo)、藤井麻輝(Key&G)、森岡賢(Key)の3人によるSOFT BALLETは形態も含めて当時のシーンの中でも異彩を放っていた。

マニアックとポップがスリリングなバランスで共存するその魅力は1stシングル「BODY TO BODY」から発揮され、1度聴いたら忘れられないインパクトのエレクトリックボディミュージックを提示。その後、インダストリアルな方向にシフトしていくが、華やかさと棘を合わせ持つSOFT BALLETは三者三様の個性を持つ集団として熱狂的な支持を得ることになる。

遠藤のクールかつ色気のある低音ヴォーカル、火星人のような摩訶不思議なダンスパフォーマンスも話題を集めた森岡のポップセンス、藤井のノイジーでエッジーでダークなサウンドメイキング、この3人の融合、もしくはぶつかり合いが誰にもマネできない楽曲を生み出してきた。

アルバム『愛と平和』

このアルバムがリリースされてから24年もの歳月が流れているが、驚くのは流行りすたりの激しい打ち込みのシーンにあって(本作にはドラム〈シンバル、タム〉を上領亘が叩いている曲も収録)全ての楽曲がまったく色褪せていないことだ。時代がひと回りした感もあるのかもしれないが、SOFT BALLETを聴いたことがない世代にも強く勧めたい一枚である。

湾岸戦争時に制作されたアルバムであるということもサウンドやメッセージに反映され、オープニングとエンディングを飾るディープで陰影のあるエキゾティックなナンバー「SAND LOWE」や攻撃的で尖った「VIRTUAL WAR」など前半から強烈な個性を放つ。藤井のノイジーでパンクで実験的なアプローチとフレーズからしてキャッチーな森岡によるダンスチューン「EGO DANCE」やロックの衝動性が盛り込まれた「AMERICA」「FINAL」などメロディーが立った曲がバランスよく共存しているのが特徴的。異なるカラーを持つふたりの楽曲をつなぐのが遠藤の存在感のあるヴォーカルというスリリングなトライアングルが美しい。

ニューウェイブ、エレポップ、インダストリアルノイズ、テクノ、歌謡曲…さまざまな音楽が絡み合うSOFT BALLETの曲を聴いていて思うことは、その卓越したセンスだ。そう思うと彼らは三者三様の集団ではなく、実は根底に流れている美意識は似ていたのかもしれない。全曲、通して聴いたらリピートしたくなるはず。中毒性は高い!

TEXT:山本弘子

※OKMusicでは毎週水曜日に『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』を配信中! 200を超える邦楽名盤の数々もアーカイブ! 是非、チェックを。

最終更新:8/24(土) 18:03
OKMusic

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