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学校教材の著作権で利害関係者がもめているワケ

8/24(土) 15:16配信

ニュースイッチ

インターネットを介すると拡散しやすい

 学校教育の教材で使う他者の写真や文章の著作権扱いが変わろうとしている。教室内であれば無許諾・無償で使えたが、情報通信技術(ICT)活用で有償となる。メールで予習教材を送ったり、欠席者や社会人がオンデマンドで学んだりする場合がそうだ。管理団体に「年間学生1人当たりいくら」と補償金を支払う仕組みが予定されている。しかし利用者と権利者の利害がぶつかり、調整に時間がかかりそうだ。

 論文や小説、写真や音楽などの他人の著作物を、印刷物としてコピーしたりインターネットで利用したりする場合は、個別に著作権者の許諾を得る必要がある。しかし非営利の教育機関での授業は、個人使用の場合とともに、著作権者の許諾なしに自由に使うことができる「例外規定」となっている。

 ところが印刷物のコピーは教室での受講生が使うにとどまるのに対し、ICTの発展でインターネットを介すると拡散しやすい。異なるキャンパスへ同時中継する遠隔合同授業はぎりぎり従来と同じ。しかしそれを越えた使い方では許諾が必要となる。授業を議論中心にするため事前に教材を提供する「反転授業」や、平日昼間と学びの時間をずらした社会人教育などが想定されている。

 しかし個別に著作権者とやりとりするのは、小中高大のいずれの学校にとっても手間がかかりすぎる。そのため「授業目的公衆送信補償金制度」に向けて2018年5月に著作権法が改正された。

 これは各学校の設置者である学校法人などが、指定管理団体を通じて「補償金」を支払い、同団体が著作権者に資金配分する仕組みだ。文化庁長官が指定する指定管理団体は一つだけだ。

 著作権関連団体が数年前から準備を進め、19年1月に一般社団法人「授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS=サートラス)を設立。2月に指定を受け、中心的な存在となった。

 現在、サートラスで補償金額や対象となる授業方式などを固めるべく、関係団体の意見聴取が進められている。その後、サートラスが学生・生徒1人当たりの補償金額を文化庁へ申請し、文化庁長官・文化審議会の諮問・答申を経て、運用スキームが確定する。

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最終更新:8/24(土) 15:16
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