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総火演に「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」初登場 陸自の内情チラ見えなその特徴とは?

8/24(土) 6:00配信

乗りものニュース

「総火演」の新顔、「19式自走砲」

 毎年夏、富士の裾野にある東富士演習場において実施される、陸上自衛隊最大の実弾射撃訓練である「総火演」こと「富士総合火力演習」。2019年の同演習にて、初めての参加となったのが「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」、通称「19式自走砲」です。

【写真】メカニカルな半自動装てん装置 ほか「総火演」で披露された「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」の様子

 この19式自走砲、旧式化したけん引式である155mmりゅう弾砲(FH70)の更新用として導入が予定されている新装備で、ドイツ製8輪式大型トラックの荷台に、国産の日本製鋼所製155mmりゅう弾砲を組み合わせています。この砲は基本的に従来の「99式自走155mmりゅう弾砲」、通称「99式自走砲」と同じ性能のもので、そのため射程や威力は同等で、砲弾や装薬も同じものが使用可能とのことでした。

 ただしそれらを装てんするシステムだけは、99式自走砲が砲弾と装薬(砲弾発射に用いる火薬)の両方を完全自動で装てんできるフルオート式なのに対し、19式自走砲については車重やサイズとの兼ね合いもあり、砲弾のみ自動で、装薬は人力装てんの半自動式とのことでした。そのため、乗員(操砲人員)は99式自走砲が4名なのに対して、19式自走砲は1名多い5名となっています。

 また99式自走砲と同じく、火力戦闘指揮統制システム「FCCS」、通称「フックス」などから得た目標の位置情報や座標などを、タブレット端末でタッチパネル入力するだけで照準が可能です。照準眼鏡(コリメーター)などは、システム故障や情報伝達が難しい場合などに対応するため、装備はしているものの基本的には使わなくても射撃できるそうです。

19式自走砲の特徴は?

 ベース車両はドイツMAN社製のHX44Mで、全長11.4m、全幅2.5m、全高3.4m。ドイツ車のため原型は左ハンドルですが、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドにも輸出されているため右ハンドル仕様も用意されており、19式自走砲にはこの右ハンドル車体が用いられています。

 エンジンは排気量1万500ccの直列6気筒水冷ディーゼルを搭載し、変速機はなんと前進12段、後進2段のオートマチックです。

 99式自走砲が装軌式(いわゆるキャタピラ式)で、装甲で完全密閉された車体と砲塔を持つのに対し、19式自走砲は基本的に大型トラックへ砲を積んだものであるため、比較すると後者はやはり、悪路走破性や防御力の点で劣ります。他方、99式自走砲は装軌式のため移動のスピードが出せず、また重量も40tあるため、長距離を移動する際は戦車輸送用の特大のトレーラー運搬車が使用されるなど、機動性は格段に劣るといえるでしょう。その点19式自走砲ならば、タイヤで走る装輪式なので一般道を民間のトラックと同じように通行することができ、同じ装輪式の16式機動戦闘車や96式装輪装甲車などに追従して行動することが可能です。

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最終更新:8/24(土) 19:43
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