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特撮作品にも影響? 『ゲゲゲの鬼太郎』が定着させた「妖怪」たちのイメージ

8/25(日) 8:43配信

マグミクス

『鬼太郎』から離れる努力や独自のアレンジも?

 特撮作品に登場する「妖怪」は、水木しげるさんが登場するまで鬼や河童、化け猫など民話などに登場する妖怪をベースにしたものがほとんどでした。例えば『ウルトラマン』(1966~1967)に登場する怪獣ウーは雪女、『ウルトラセブン』(1967~1968)に登場する怪獣テペトは河童をもとにしています。

『ゲゲゲの鬼太郎』が発表されて以降、民話や怪談でおなじみの妖怪の以外のものも増えていきました。例えば『超神ビビューン』(1976~1977)には「ぬりかべ」を基としたであろうカベヌリや、石燕の妖怪画を基にした震々(ぶるぶる)などが登場します。

 1990年代以降、スーパー戦隊シリーズでも敵を妖怪で統一した作品が3作品製作されています。その最初の作品が『忍者戦隊カクレンジャー』(1994~1995)です。

『カクレンジャー』に登場する妖怪は「ブロンクスの妖怪」というコンセプトでデザインされました。レンガ壁に落書きがされたぬりかべ、牛車ではなくイエローキャブの朧車(おぼろぐるま)など、アメリカンな妖怪たちが登場します。

 続いて『侍戦隊シンケンジャー』(2009~2010)に登場する妖怪、外道衆のアヤカシたちは、「妖怪の伝承の元となった存在」と設定されています。そのため子泣きじじぃやぬりかべなど既存の名称が用いられず、オリジナルの名称が与えられました。

 またスーパー戦隊シリーズではありませんが『仮面ライダー響鬼』(2005~2006)でも、敵キャラに妖怪が採用されています。妖怪の名称は「イッタンモメン」など従来のものを用いていますが、姿は複数の動物の特徴を合わせたキメラのようなものになっています。

『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015~2016)では従来のイメージに近い姿の妖怪たちが登場しています。『ニンニンジャー』の妖怪たちはヤカンや冷蔵庫など器物に取り憑いたという設定です。

 この設定は、器物が長い歳月を経て妖怪化した「付喪神(つくもがみ)」を思わせると同時に、無生物が敵のモチーフに選ばれることの多いスーパー戦隊シリーズらしいアレンジとも言えるでしょう。

 このように、各作品で水木しげるさんのイメージから離れる工夫や、独自のアレンジがなされています。しかし『カクレンジャー』以降の作品で敵モチーフに選ばれた妖怪は、やはり『ゲゲゲの鬼太郎』に登場したものがほとんどなのです。私たちが今日さまざまなメディアで目にする「妖怪」たちは、確実に水木しげるさんと『ゲゲゲの鬼太郎』から大きな影響を受けているのです。

森谷秀

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最終更新:8/26(月) 11:56
マグミクス

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