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躍進の明石商と中京学院中京、失意の近江と東海大相模。 ゴジキが振り返る2019年夏の甲子園(中編)

8/25(日) 18:00配信

本がすき。

大阪府代表・履正社高校の初優勝で幕を閉じた第101回の甲子園。様々な選手、チームが球場を沸かせてくれました。そんな今年の大会には、いったいどのような特色がみられたのでしょうか。
今回は特別に、高校野球の分析に定評があり、通称「お股クラスタ」の1人でもあるゴジキ氏(@godziki_55)が“出張寄稿“してくれました。惜しくも敗退したチームの分析と、活躍が光った選手の解説です。

◆個人的な注目選手は東海大相模・遠藤と智弁和歌山・細川

大会序盤で残念ながら敗退したチームの中にも、魅力的な選手は数々いる。

私が最初に面白そうだなと感じたのは、東海大相模の遠藤成選手である。東海大相模は2年ながらチームのコアとして活躍していた鵜沼選手、山村選手、西川選手が注目を集めていたが、私はバランスの良い遠藤選手が攻守に渡るキーパーソンであったと思っている。特に近江戦では、滋賀県大会無失点だった好左腕の林投手から2安打を放ち、投げては7回1/3を1失点と注目カードで素晴らしい活躍をした。

次に私が魅力的だと思ったのは、智辯和歌山の細川凌平選手である。

黒川選手、西川選手、東妻選手といった甲子園5期連続出場組がセンターラインを守りチームのコアとなっていた中、細川選手は2年生ながら2番を任せられていた。

さらに、甲子園本大会での打率.429はチームトップの数字であり、明徳義塾戦では、勝ち越し3ラン本塁打を放つなどの大活躍だった。

この活躍の背景には、今年のセンバツでチームが8強入りした際に、自分の打撃の調子がなかなか上がらない悔しさがあったのではないだろうか。その悔しさを糧に、この夏は2年生ながら攻守に渡りチームを牽引。その姿は素晴らしかった。

◆激戦区を勝ち抜き春夏ベスト4に君臨した公立校・明石商

公立校ながら春夏ともに4強と大躍進した明石商。センバツから見ていたが、中森選手や来田選手、重宮選手といった力のある選手が素晴らしく、点差的に相手を圧倒する強さはないが試合巧者ぶりを感じられる「負けないチーム」だった。

春は智辯和歌山との死闘を制し4強に進み、その後優勝した東邦には敗れたが接戦に持ち込むまでの力を見せた。

さらに、夏の兵庫大会では決勝で神戸国際大付属に8回まで1点差で負けていたが、9回に4点を入れて劇的な逆転勝ち。甲子園本大会初戦は大会参加校チーム打率1位の花咲徳栄に対して隙のない野球で1点差を制した。続く宇部鴻城戦は初回に2点を失うも中盤、終盤に1点ずつ取り追いつき、最後はスクイズでサヨナラ勝ちを決めた。この試合では、前の試合で完投した中森投手を温存し、杉戸投手が10回完投勝利。投手陣の経験値や自信の底上げという面で、非常に大きな勝利となったように思う。

さらに、昨年の夏初戦で敗れた八戸学院光星戦ではリベンジの如く序盤から試合を優位に進め、試合中盤に追いつかれながらも、エース中森投手の好リリーフもあり、夏初勝利から4強にまで進んだ。

私は甲子園本大会での明石商の映像を全試合見たが、決して偶然ではない「本当に強いチームの勝ち方」だと感じられた。緊迫した接戦において、勝ち方にバリエーションがあるチームは非常に実践的である。相手側からすれば、この試合巧者ぶりには選手の個人成績以上に脅威を感じただろう。

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最終更新:8/25(日) 18:00
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