ここから本文です

アスカJr.の告白シーンは2人きりでの収録だった―『怪盗セイント・テール』メインキャストが語る作品とまっすぐに向き合った1年間【レポート】

8/25(日) 19:04配信

超!アニメディア

 2019年7月19日(金)から8月8日(木)にかけて東京・EJアニメシアター新宿で開催されていた「55th ANNIVERSARY トムス・アニメ夏まつり 2019」。8月2日(金)には「怪盗セイント・テール 原作25周年記念スペシャル上映イベント」が開催された。TVアニメの第1話「登場! キュートな大泥棒!? あなたのハート盗みます。」と第30話「正体がバレる! 芽美危機一髪」がセレクション上映されたほか、羽丘芽美/怪盗セイント・テール役の櫻井智、アスカJr.役の岡野浩介、深森聖良役の井上喜久子が登壇し、公式イベントとしては実に24年ぶりとなるメモリアルトークショーが行われた。

 司会も兼任する岡野浩介は、登壇早々に「実は今日、こんな予告が届いています!」と宣言。スクリーンに「8月2日(金)の夜、EJアニメシアター新宿に皆さまのハートをいただきにまいります St ★ TaiL」という怪盗セイント・テールからの予告状が映し出され、「みなさん! セイント・テールにハートを盗まれないよう気を付けてくださいね!」と会場を盛り上げる。

 そして「主よ、種も仕掛けもないことをお許しください。…ワン、ツー、スリー!」の掛け声とともに櫻井と井上が登場。壇上で「私たちに、神のご加護がありますように」と作中でおなじみのセリフを披露し、喝さいを浴びた。

 櫻井、岡野、井上の3人が集まるのは、2014年11月に発売されたBlu-ray BOX用のオーディオコメンタリーの収録以来、5年ぶりとのこと。そんな3人のトークは、第1話の思い出話から始まった。櫻井は、「先ほどご覧いただいた第1話で、当初は(芽美の)「ワン、ツー、スリー!」の語尾をあまり伸ばしていなかったのがお分かりだったと思います。毎回口にする決めゼリフですので、現場でよく話し合い、演出もこなれていくにしたがって語尾を伸ばすようになっていきました」と制作秘話を披露。

 続いて井上が「聖良は説明役になることもあり、長尺のセリフもめずらしくありませんでした。当時は私もまだ新人でしたので、悩みながら聖良と向き合っていました」と振り返ると、櫻井と岡野は「喜久子さんは、当時からとても頼れる先輩だった」とビックリ。そう言われた井上は「そうは言っても、当時はまだ“17歳”だったからね!」とおなじみのネタで切り返し、場内が笑いに包まれた。

 岡野は「アスカJr.は少し地声を高くした程度で、すんなり演じられました」と振り返りつつも、芽美のことを「羽丘」とずっと名字で呼び続けるキャラクターであっただけに「作中で初めて“芽美”と名前で呼ぶときは緊張してしまい、何回かリテイクをいただきました(笑)。僕のなかでは、彼女は今でも“羽丘”なんですよ」と笑顔で語った。

 そして話題は、1996年に公演されたミュージカルの思い出話へ移る。ミュージカル版の芽美とアスカJr.は、アニメと同じ櫻井、岡野が演じていた。櫻井は「(岡野さんは)本当に練習熱心な努力家で、みんなびっくりしていました」と思い出話に花を咲かせる。

 舞台はほとんど経験が無く、ミュージカルは初の経験だったという岡野は、ダンスの基本のひとつであるボックスステップ(4歩で四角を描くように踏むステップ)を習得するところからのスタートで、何時間も練習し続けたとのこと。また、櫻井は芽美からセイント・テールにならなければいけない兼ね合いで、役者の中で唯一早替え(公演中に衣装を素早く着替えること)が必要で、カツラをかぶって芝居をしていたという。「ダンスをしているとカツラがどんどんズレてきて、外れてしまうのではないかといつもヒヤヒヤしていました」と笑いながら当時を振り返る。

 話題は、キャラクターソングを含む、ボーカル曲にもおよんだ。井上はエンディングテーマの「純心」を初めて聴いたときの衝撃は忘れられないと語りつつ、櫻井と歌ったキャラクターソング「E夢、見よう!」にも言及。櫻井と一緒に行ったジャケット写真撮影や、収録当時のことは今でも鮮明に思い出せると明かした。また、聖良のソロキャラクターソング「お砂糖菓子じゃない」は8分の5拍子で書かれた曲で、リズムを取るのがとても難しかったと語る。

 続いての話題は、アニメのオリジナルエピソードについて。TVアニメでは原作にはないオリジナルエピソードが描かれており、各キャラクターがより深く掘り下げられることで、キャスト陣の思い入れがますます深いものになっていったと話す。そうした話を受け、岡野は「今は1クールのアニメが多いですが、1年間(4クール)放送できるからこそのおもしろさがありました。これだけ同じキャラクターを演じ続けられれば、それは深い愛着がわきます。だから告白シーンも、自然と力が入るわけですよ。アフレコブースが、僕ら2人だけになるわけですよ!」と語った。

 アスカJr.が芽美に告白するシーンの収録時は、アスカJr.の父・飛鳥友貴を演じる大塚明夫や芽美の父・羽丘源一郎を演じる井上和彦らが「気恥ずかしいから外に出ているね」とブースから退去していき、それを見た井上も「…それじゃあ♪」と出ていき、岡野と櫻井2人きりでの収録となったそう。

 ここで、来場者からもお気に入りのシーンを教えてもらうコーナーに。会場では
・アスカJr.から告白された芽美が感極まって泣き出すシーン(第40話「母の秘密! 女怪盗の復しゅう」)
・セイント・テールとアスカJr.の電話ボックス越しの邂逅(第12話「仰天! 大トカゲのサンタ?!」)
・そろって囚われの身となったセイント・テールとアスカJr.が協力するシーン(第29話「市長の陰謀! 白鳥を盗め(後)」)
などが挙げられ、登壇した3人も「シーンが挙げられるたびに、(来場者の)みんながうなずいてくれる一体感がうれしい」と喜びをあらわにした。また、「『セイント・テール』には男性の視聴者も多かった」という話題になると、岡野は本作の放送から何年も経ったあとに後輩の杉田智和から「昔『セイント・テール』を見ていましたよ」と言われたことがあったと披露。

 くめども尽きぬ泉のようにさまざまな思い出話が語られたトークショーもそろそろ終演の時間。「『セイント・テール』という作品は、自分にとってどのような存在か」というテーマが岡野から投げられかけると、櫻井は「私の代表作といえる大切な作品だとあらためて感じました。どこを切り取っても色あせない、いつ見ても心が平和になる作品。これからも受け継がれていけばと思います」と語り、井上は「岡野くん、智ちゃんと出会えた幸せな作品です。アフレコ当時に、智ちゃんが毎朝早起きしてジョギングをしていたと聞き、だからあんなにすてきな「ワン、ツー、スリー!」がいつも聞けるんだなと、1人のファンのような気持ちで接していました」と振り返った。

 そして岡野は「キャストがみんな、わき目も振らずまっすぐにキャラクターや物語と向き合っていました。だから、いつ見ても楽しい作品になったのだと思います。僕も、アスカJr.が羽丘に告白するシーンや、最終回でセイント・テールを捕まえるシーンのセリフは今でも覚えているくらいです」と語り、ここで「この流れは……!?」と会場にどよめきが。そこに井上の後押しもあり、「観念して、おとなしく捕まれ。…ずっと気づかなくて、ゴメン」と岡野がよどみなく演じると、観客席から喝さいが上がった。

 その盛り上がりのなか、櫻井が「今日のこのイベントを、私自身も本当に楽しみにしていました。楽屋でも3人で「また近いうちに何かイベントができたらいいよね」と話していたくらいです。またみなさんにお会いできたらうれしいです!」と挨拶し、トークショーは幕を閉じた。

『怪盗セイント・テール』原作25周年記念スペシャル上映イベント
開催日:8月2日
会場:東京・EJアニメシアター新宿
出演:羽丘芽美役・櫻井智
アスカJr. 役・岡野浩介
深森聖良役・井上喜久子

(C)立川恵/講談社・TMS

最終更新:8/25(日) 19:04
超!アニメディア

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事