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気づけば『妻の首を…』認知症の患者や家族が直面する「過酷な現実」

8/25(日) 17:03配信

FNN.jpプライムオンライン

繰り返す妻の徘徊に…「特注の鍵」

誰もがなりうる身近な病気となっている認知症。
2025年には、65歳以上の5人に1人がなるとも言われている。
認知症と共に生きるために。患者や家族が直面する過酷な現実を通して、わたしたちがどう向き合えばいいのだろうか。

【画像】家の中にはさまざまな工夫が…

夫婦での食事の場面 。妻の妙子さんの膝には愛犬がすり寄ってきていた。

松岡妙子さん:
わんちゃんにあげるわ。

夫・勇さん:
あかん、卵だけは絶対あかんで。

滋賀県野洲市に住む松岡妙子さん(78)。
認知症を患い、注意しても何度も同じことをするようになった。

松岡妙子さん:
なにあげようかな。『おうどん』はどうもないやろ?うどんもあかんの?卵も?

夫の勇さん(80)と理髪店を営んでいた妙子さん。
子供たちは自立し、2人で暮らしていたが、10年ほど前に妙子さんに認知症の症状があらわれたという。
物の置き場所がわからなくなるなど、症状は徐々に深刻化していて、今も手鏡の置き場所を探しているようだ。妙子さんは照明のスイッチに引っ掛けようとしていた。

夫・勇さん:
それはあかん、こっち置いとこう。かけるとこないねん。

勇さんは妙子さんを介護する上で一番大変なのは、”徘徊”だといいます。

夫・勇さん:
信号が分からん。赤でも行こうかって言って、 それが一番怖い。

――赤信号でも渡る?

夫・勇さん:
うんうん、だから手を離さへん。

妙子さんは、次第に自宅を他人の家だと思うようになり、置き手紙を残して一日に何度も徘徊するようになった。
時には、電車を使うこともあり、5回ほど行方がわからなくなったことも。
いつ外に出るかわからないため、勇さんは、家の出入り口に内側から施錠できる、特注の鍵をつけた。

夫・勇さん:
これ(カギは)僕が隠しているから。家はみんなそう、二階も。(カギは)みんなか僕が持っている。隠してある。

――(妙子さんは)外に出られなくて怒らない?

夫・勇さん:
できるだけ穏やかになだめる。近頃はこれをよく読んでいるわ。(ドアのノブを指して)『一人で出ないでください』って。必ず朝一緒に出るねん。

妙子さんが何度も外に出たがるため、一緒に散歩するのが夫婦の日課になった。
靴にはGPSをつけ、万が一の場合も居場所がわかるようにしています。
警察に届け出があった認知症患者の行方不明者数は年々増えていて、去年は約1万7000人。そのほとんどは一週間以内に所在が確認されているが、死亡した後、 見つかった人もいる。

夫の勇さんは、7月に80歳になった。
いつまで妻を介護する生活を続けられるのか不安を抱えている。だがそれでも、 できる限り妙子さんと一緒に暮らしたいと話す。

――外に行くのは好きですか?

松岡妙子さん:
そやね、一緒にいつもついていっているからね。

夫・勇さん:
ついていってもうてんねん。二人やでな、おれを大好きやねん。おれも大好きやし。俺も女房が大好きだし、俺を大好き本当に。

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最終更新:8/25(日) 17:03
FNN.jpプライムオンライン

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