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危ういチョ・グク法務部長官候補の選択は

8/25(日) 11:54配信

ハンギョレ新聞

 法務部長官候補であるチョ・グク氏が危うい状況に置かれている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最も信頼する人物の一人と評価され、次期大統領候補にまで分類されたので、検証において激しい攻防が予想されたが、これほど激しいとは予想できなかった。とうとう彼の進退が取りざたされることが全くおかしくない状況にまで至った。

 チョ候補者は9日、大統領府で文在寅大統領によって法務部長官候補者に指名された後、「誓海盟山」を語った。「海と山に誓う」という意味で、壬辰戦争(文禄・慶長の役)の時、李舜臣将軍が倭敵を打ち破るという意志を込めて詠んだ詩に登場する。彼が忠武公・李舜臣の詩まで取りあげて誓ったのは「公正な法秩序の確立、検察改革、法務部の革新」だった。生涯進歩的な観点で法を学び、教えてきたチョ候補者が、法務部長官となって繰り広げる新しい法行政への期待が大きかった。

 半月近くたった今、好機といえる状況は過ぎ去った。チョ候補者は、連日相次ぐ疑惑の釈明に汲々としている。現在まで人事聴聞会準備チームが出した公式釈明だけで20回にのぼる。チョ候補者の実弟をはじめ、チョ候補者が投資した私募ファンド会社、同社が投資した会社まで釈明し、しまいには離婚した元妻まで「私と息子は関わらせないでほしい」と訴えた。

 火を煽ったのは、20日に持ち上がったチョ候補者の娘の論文をめぐる議論だった。2009年に高校生だったチョ候補者の娘が、檀国大医学部で2週間のインターンシップをした後、SCIクラスの医学論文の第1著者として登録され、これを大学入試に活用したことが分かった。疑惑の提起は繰り返され、彼女の高校時代の経歴が大学教授である親のバックのもとで作られたという疑いにつながり、ついに「大学入試優遇」をめぐる論争へと拡散した。いま大学の願書を書いている保護者や高校生たちが虚脱感を訴え、ソウル大学と高麗大学の在学生たちはろうそく集会をすると乗り出した。論文の作成と入学過程の関係者である檀国大学と高麗大学なども「研究の不正を確認する」「問題が生じれば入学を取り消す」とし、自ら生き残りの道を探しはじめた。

 生涯を法曹文と共にしたチョ候補者が、正体の分からない“国民感情法”、すなわち民心の海にはまった状況だ。民心の海には澄んだ水ばかり集まるのではなく、あらゆるごみも一緒に集まる。検証を理由にチョ候補者の父親の墓碑の写真を撮って公開したキム・ジンテ自由韓国党議員や、厳密な検証手続きなしにチョ候補者を非難する記事を1面に掲載した一部のメディアが、その混濁さを表している。民心の海を盾にして自分の利益を得るケースだ。しかし、大事なのはこのような混濁があるからといって海が海ではないわけではないという点だ。

 これまで多くの人々が、この国民感情法にはまって戻ってこられなかった。チョ候補者と同じ法曹人のパク・ヒテ元国会議長やアン・デヒ元最高裁裁判官などがそうだった。彼らはそれぞれ、娘の優遇入学、前官礼遇論争で落馬したが、彼らが退いた分だけ韓国社会は一歩進んだ。

 選択はチョ候補と文大統領の役割だ。これまで「法的な欠陥がないので問題はない」という態度を示していたチョ候補者は、22日に「法的問題がないからといって知らないふりしない」と話した。依然として人事聴聞会の時にすべて解明するというのが基本的立場だが、合法か違法かばかりを追求していたこれまでの立場からは一歩退いたかたちだ。彼が2015年に新政治民主連合の革新委員を務めた時、公職選挙候補から排除する者の第一条件に掲げたのは「道徳的・法的欠陥」だった。

 検察改革に対する所信と実力、力を兼ね備えた彼が法務部長官になることを恐れた一部の検事らがため息をつくのを見るのは残念なことだ。しかし、最も重要なのは国民の意思だ。チョ候補者が9日に長官候補者になって述べた言葉に答があるかもしれない。「権力を国民にお返しするのは、文在寅政府の国政課題であり、私の使命だった」。権力を国民に与えることは、国民の言葉に耳を傾けることから始まる。

チェ・ヒョンジュン法曹チーム長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/25(日) 11:54
ハンギョレ新聞

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