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【MLB】万年最下位から世界一へ 「ミラクル・メッツ」から50年目 快進撃の再現なるか

8/25(日) 22:00配信

Full-Count

ニューヨークに生まれたお荷物球団「まだこのような負け方があったのか」

 今年はメッツがワールドシリーズ初優勝を飾ってから、ちょうど50年目になる。球団創設から8年目の1969年。誕生間もないお荷物球団が一気に頂点に立った。「ミラクル・メッツ」に地元ニューヨークは大騒ぎ。パレード当日の天気予報は「晴れ、ところによって紙吹雪」と粋なことが言われたものだ。

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 メッツはニューヨーカーが待ち望んだナ・リーグの球団だった。1957年のシーズンを最後にジャイアンツとドジャースが西海岸へ移転。ニューヨークにはア・リーグのヤンキースしかなくなってしまった。そこへ1962年、メッツが生まれたのだった。

 最初の指揮官はヤンキースで7度ワールドシリーズを制したケーシー・ステンゲル監督。だが、この名将をもってしても戦力不足のチームは低迷した。来る日も来る日も負けばかり。熱心なファンは「これだけ負けているのに、まだこのような負け方があったのか。なんてクリエイティブなチームだ」と、呆れを通り越して感心したという話が伝えられている。

 1年目の成績は40勝120敗1分けの史上最低勝率。優勝したジャイアンツに60.5ゲームもの大差をつけられた。投手陣の勝ち頭は10勝のロジャー・クレイグ。ただし、この年最多の24敗を喫した。なおこのクレイグ、スプリット・フィンガード・ファストボールの生みの親として知られている。

 2年目以降も浮上の気配は見えない。1968年までの7年間で、ナ・リーグ10球団中9位が2度、10位が5度という有り様だった。

万年最下位から急転、ミラクル・メッツの快進撃

 そして、いよいよ1969年である。ドジャースの強打者だったギル・ホッジス監督は就任2年目だった。

 この年、メジャーリーグには大きな変化があった。ナ・リーグでパドレスとエクスポズ(現ナショナルズ)、ア・リーグではロイヤルズとパイロッツ(現ブルワーズ)が加わり、両リーグとも12球団ずつになった。そこで両リーグとも東西2地区制になった。メッツはカブスとカージナルス、パイレーツ、フィリーズ、エクスポズとともにナ・リーグ東地区所属になった。

 メッツの下馬評は当然ながら高いものではなかった。けれども、期待の声もあった。1967年に16勝で新人王に輝き、翌年も16勝した24歳の右腕トム・シーバーや、1968年に19勝した26歳の左腕ジェリー・クーズマンといった、若い投手たちが成長していたからだ。

 開幕直後はいまひとつで、4月は9勝11敗と出遅れた。そこから徐々に調子を上げ、53勝39敗の地区2位で前半を終えた。

 後半も2位を保つが、首位を快走するカブスとの差は縮まらない。8月13日には3位に転落。カブスとの差は10ゲームあった。

 ところが、ここから反撃を始める。8月13日以降、公式戦閉幕までに10連勝と9連勝が1度ずつで6連勝が2度と爆発。140試合目の9月10日に単独首位に立ち、最終的には100勝を挙げ、2位のカブスに8ゲームもの差をつけてナ・リーグ東地区の初代王者になった。

 強力投手陣がチームを引っ張った。先発ではシーバーが25勝で最多勝(7敗)。クーズマンが17勝9敗、ゲーリー・ジェントリーが13勝12敗。3人とも投球回数は200を超えた。後の奪三振王であるノーラン・ライアンがメジャー3シーズン目の22歳で、先発も救援も務めて6勝3敗の成績を残した。抑えには右のロン・テイラーと左のタグ・マグローを擁し、それぞれ13セーブと12セーブをマークした。

 ポストシーズンでも勢いに乗って突き進んだ。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズで、ハンク・アーロンのいたブレーブスを無傷の3連勝で撃破した。

 オリオールズとのワールドシリーズでは、第1戦をシーバーで落とすも第2戦から4連勝。第5戦の最後はクーズマンがデービー・ジョンソンを左飛に仕留めた。

 このジョンソンは1986年にメッツの監督としてワールドシリーズ制覇を遂げる。奇妙な縁である。

 メッツは日本と縁の深い球団でもある。ジョンソンは1975年から2年間、巨人でプレーしたし、ロッテ監督を務めたボビー・バレンタインとオリックス監督を務めたテリー・コリンズがメッツの監督でワールドシリーズに進んでいる。

 在籍した日本選手も多い。柏田貴史、吉井理人、野茂英雄、新庄剛志、小宮山悟、松井稼頭央、石井一久、高津臣吾、高橋建、高橋尚成、五十嵐亮太、松坂大輔、青木宣親といった選手がプレーしている。他にマック鈴木(鈴木誠)がマリナーズからトレードされ、試合に出場することなくロイヤルズに移籍している。

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最終更新:8/25(日) 22:00
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