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〈旧質美小学校(質美笑楽講)〉京都・京丹波町の廃校が絵本のセレクトショップや窯焼きピザ屋に

8/25(日) 23:28配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュース

■廃校になった質美(しつみ)小学校が、ユニークな施設に

京都府京丹波町は、広々とした緑豊かな土地。山や田畑が広がり、黒大豆、小豆、松茸、栗などが特産品で、豊かな食文化とともに人々が暮らしを営んできた地域です。

【写真で見る】絵本専門店〈絵本ちゃん〉&〈きのこ文庫〉

そんなのどかな京丹波町質美上野に、廃校になった質美(しつみ)小学校を使ったユニークな施設が全国から注目を集めています。施設の名前は〈質美笑楽講〉。小学校が笑楽講に!思わず笑みがこぼれるような名前に当てた漢字からも、楽しい雰囲気が伝わってきます。

質美小学校は2011年に閉校し、53年の歴史に幕を閉じました。しかし、「自分たちが通った小学校の形をなんとか残したい」という卒業生や地元の人の声が上がり、昭和35年に建設された木造校舎を再利用する道を模索することに。

2012年に、絵本のセレクトショップ〈絵本ちゃん〉がオープンしたのをきっかけに、カフェや雑貨屋、レストランなど、おしゃれなお店が集まる複合施設として、生まれ変わりました。

レトロな木造校舎、朝礼台、長い廊下に作業室や図工室の名札、木の引き戸、落書きのある机と椅子。
子どもたちが学んできた景色がそのまま残り、初めて訪れたけれど、心がキュンとなるような懐かしい気持ちが込み上げてきます。

■絵本専門店に、古道具のお店まで……

質美笑楽講には、センスのあるお店がたくさん入っています。絵本専門店〈絵本ちゃん〉&〈きのこ文庫〉、窯焼きピザとパスタ〈panadozo cafe〉、古道具とアンティーク〈ケセラセラ〉、趣味の店〈道楽ルームみちくさ〉、〈喫茶ランチルーム〉、カフェ〈盲亀浮木(もうきふぼく)〉、〈おかきの加工所〉、ウェディングドレス〈Blan Cheur〉、雑貨〈プチボヌール〉、423アートプロジェクトなど。

「こんにちわ~」、お店のドアを開けるたびに、伝わるワクワク。それぞれのお店の個性と、オーナーのこだわりが詰まっており、ひとつひとつのアイテムを手に取っていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいますよ。「あ~、昔はこんな教室だったなぁ」と懐かしむ年代はワクワクした気分を取り戻す場所として、イマドキ女子にとってはレトロで“映える”写真が撮影できるおしゃれスポットとして。そして、地元のお母さんは子連れで楽しめる憩いの場所として。

今でこそ、注目の質美笑楽講ですが、閉校になる前の質美小学校の時から携わり、オープン第一号店の〈絵本ちゃん〉&〈きのこ文庫〉の店主谷さんから経緯を聞きました。


「地域の人、卒業生、子連れのお母さんなど、誰でも入れる場所をつくりたかったんです。最初は2年間という期限で、口コミやSNSで、ちょっとずつ質美笑楽講の楽しさを広めていきました。次第に、雑誌や新聞、テレビで取り上げられるようになり、この地域の良さが見直されるようになったんです。私ができるのは絵本で人をつなげること。出店している方も、この地域でそれぞれができることで一緒に盛り上げたいと思う仲間ばかりです」

谷さんの京丹波町を楽しくしたい、と言う思いが地域の人を動かし、仲間が集まるように。お店だけでなく、次第にアートプロジェクトやサークル、上映会やライブなど活動が広がり、この校舎の独特な雰囲気と場の力に魅せられた人が集まる場所になりました。

「今は、地域、お店、お客さんが良いバランスで回っています。これからもこの賑わいが続いてくれたら嬉しいです。私もここに住み続けていく、という覚悟を決めて、”ここに住みたい”と思ってくれる新しい人やUターンしてくれる人を増やしたい」と、思いを語る谷さん。

現在、日本全国で閉校する小学校は増加するばかり。こうした深刻な過疎化が全国各地で進むなか、〈旧質美小学校(質美笑楽講)〉の姿は、地域を盛り上げるすてきなモデルケースと言えるでしょう。地域を愛する人が集い、暮らしに根付きながらじわりと広がる活動に、今後も目が離せません。

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最終更新:8/25(日) 23:28
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