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思い出ありがとう 高岡大和閉店 売り場 往時のにぎわい

8/26(月) 1:22配信

北日本新聞

 高岡大和(高岡市御旅屋町)の最終営業日となった25日、店内は最盛期のようなにぎわいを見せた。衣料品やバッグは飛ぶように売れ、レストランや食品売り場の人気店には長い列ができた。なじみの店員との別れを惜しむ常連客の姿もあった。「思い出をありがとう」。笑顔と涙と感謝に包まれた老舗百貨店の「最後の一日」を追った。 

 【午前9時半】
 1階に従業員ら約200人が集まり、最後の朝礼が行われた。小杉美和子店長は「永遠の思い出をつくっていただけるよう、最高のおもてなしでご奉仕しましょう」とあいさつし、ガンバローを三唱した。

 【午前10時】
 最後の営業開始。正面入り口が開くと、大勢の人が一斉に店内へ押し寄せた。
 「『ありがとう』と伝えたくて」。30分前から並んだ高岡市あわら町の主婦、中谷世津子さん(79)は、高岡大和が入る御旅屋セリオのある場所に生家があった。幼い頃から高岡大和が遊び場で、子どもが生まれてからは祝い事があるたびにレストランで食事した。「私の人生と共にあった。本当に寂しくなる」

 【午前11時15分】
 地下食品売り場のパン店「ドンク」には長い列ができた。家族4人で訪れた同市中保の武田香奈さん(29)は、チョコクロワッサンが好きで子どもの頃からよく利用した。長女の芽依ちゃん(5)も同店のパンがお気に入りで、武田さんは「高岡で買えなくなるのは残念。富山大和に行くしかないかな」

 【正午】
 7階のレストランは80席が全て埋まり、30組以上が順番待ちに。同市伏木地区の井波千枝さん(91)は娘や孫らと一緒に訪れた。いつも通りビーフカレーを注文し「最後に家族そろって来ることができて幸せ」と笑顔を見せた。昔はここでしかホットケーキが食べられなかったことや、孫が迷子になったことなど、思い出話に花を咲かせた。

 【午後3時】
 地下食品売り場で売り尽くしのタイムサービスが始まる。最終価格となった青果や水産加工品、調味料などを求める人で売り場はごった返した。「普段からこの半分でも人が来ていたら、閉店にはならなかったのに」。レジの列に並びながら、そうこぼす人もいた。

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最終更新:8/26(月) 1:22
北日本新聞

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