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決断迫られる文大統領 最側近のチョ・グク法相候補者の疑惑で世論急悪化 今週が山場か

8/26(月) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

今、韓国社会で最も注目を集めているのは、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミヤ)の破棄を決定したことよりも、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近で、次期法務部長官(法相)候補に指名されたチョ・グク氏のスキャンダルである。

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ソウル大学法学部教授だったチョ・グク氏は、文在寅政権が発足すると青瓦台(大統領府)に入って民情主席秘書官という要職に就いた。文大統領の内閣改造計画に伴って青瓦台を離れ、法相候補に指名されることになった。その適格性を審査する国会での人事聴聞会が8月末にも予定されている。

その聴聞会を前に、様々な疑惑が数々持ち上がった。民間投資会社への巨額投資、親族を通じた不動産の偽装売買疑惑などだが、今、最も注目を集め、若年層を中心に怒りを買っているのが、娘が大学に不正入学したのではないかという疑いだ。

チョ・グク氏は、「不法行為はない。不正入学疑惑はフェイクニュース。人事聴聞会で説明する」としていたが、世論の急悪化を受けて、8月23日、投資等で得た財産と親族が運営する学校法人を公益財団や国庫に入れるなどして社会に還元すると立場表明したが、娘の不正入学疑惑については言及がなかった。

◆世論反発、「チョ・ググNO」が急増
23日に、娘が卒業した高麗大学と、チョ・グク氏が教授を務めていたソウル大学で、真相究明を求める集会が、各々約500人を集めて開かれ、韓国メディアでも大きく取り上げられた。

世論の反発は強かった。25日、公営放送のKBSは韓国リサーチに依頼した世論調査結果を公開。チョ・グク氏が法相職を遂行することについて、不適切が48%、適切はわずか18%だった。KBSは一週間前に同様の調査をしており、この時は不適切36%、適切42%だったので、一週間で世論の評価は逆転してしまったわけだ。

娘の大学不正入学疑惑に対する反発が非常に強く現れたことで、チョ・ググ氏は初めてこの問題で反省の弁を述べた。

韓国メディアによると、チョ・ググ氏は25日、「私の人生を丸ごと反省し厳しく振り返らなければならない」、「改革主義者になるために努力したが、子供の問題については不徹底な父だった」、「しかし、権力機関の改革という文在寅政府の核心の国政課題を履行せよという、国民の意思と大統領の国政哲学は必ず守らなければならない」と、娘の不正入学疑惑に反省を口にしながらも具体的な説明はなく、法相指名を辞退しないことを明確にした。

◆道徳性批判にも文政権は任命強行の構え
第一野党の自由韓国党は、ここぞとばかりにチョ・グク氏批判を展開している。世論の反発も強い。しかし、25日時点で、与党の共に民主党は、チョ・グク氏を辞退させず、あくまで法相任命を強行する構えだ。

韓国は来年4月に総選挙を迎える。文大統領の任期はあと2年9カ月残っているが、大統領は5年一期制のため、任期が残り少なくなると求心力が落ちる「レームダック化」をどの政権も経験している。

文政権としては、チョ・グク氏に法相指名を辞退させた場合、傷だけが残り、政権支持率が下がって「レームダック化」が進み、来年の総選挙も危うくなるという危機感がある。

一方、強行突破すれば、文政権支持層のうち中道層が離れる可能性があるが、チョ・グク氏が司法改革を進めていくことで、ダメージは回復できるとの計算があるようだ。

現時点で文大統領は沈黙を守っているが、いずれにせよ、チョ・グク氏の法相任命権を持つ文大統領の決断にかかっている。

朴槿恵(パク・グネ)政権の不正腐敗を批判し、機会の平等、公正公平、正義を掲げて政権に就いた文大統領が、どのような選択をするのか注目される。この26日からの一週間が山場と見られる。

最終更新:8/26(月) 5:10
アジアプレス・ネットワーク

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