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【能力主義の陰で】パラリンピックが格差助長?異論唱える声も 超人化するアスリートたち

8/26(月) 14:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 神奈川県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で入所者19人が殺害されて、7月で3年がたった。起訴された植松聖被告(29)は神奈川新聞の取材に「能力が劣る障害者に生きる価値はない」と主張し続け、かたや、能力が優れた「超人」を称揚する。翻って問うてみたい。互いの能力を自由に競い合い、比較や評価することに慣れたわたしたちは、知らぬ間に、期せずして、誰かを傷つけてはいないだろうか。そして、競争の渦中で、自分自身が苦しんだ経験はないか。東京大会開幕まで1年を切ったパラリンピックを実例に、能力主義の暗部を見つめた。(川島 秀宜)

 車いすや義足のアスリートが背中から翼を生やし、神々しく輝く。国際パラリンピック委員会(IPC)が制作を発表した初の公式ゲームのキャラクターだ。タイトルは「ザ ペガサス ドリーム ツアー」。人気ゲーム「ファイナルファンタジー15」でディレクターを務めた田畑端さん(48)が手掛ける。

 制作元のJP GAMES社によると、プレーヤーはパラスポーツに挑み、秘められた「エキストラパワー」(特殊能力)を引き出しながら成長していく。パラアスリートのペガサスのような「進化」を、オーラをまとうように翼で表現したという。若者を取り込み、東京大会を盛り上げる狙いだ。

 IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は「傑出したパラアスリートたちの能力がどのように表現されているのか楽しみにしている」とコメントした。

競技高度化、オリンピアンの誕生

 競技が高度化したパラリンピックは「超人の祭典」と呼ばれる。

 270万枚の入場券を完売し、「史上最高の成功」とたたえられたロンドン大会(2012年)。英テレビ局は、障害を乗り越えようと躍動するトップアスリートをCMに起用し、「スーパーヒューマンに会いに行こう」と呼びかけた。南アフリカの「ブレードランナー」と呼ばれた両脚義足の選手が、オリ・パラ両方の陸上種目に出場した快挙もあった。

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最終更新:8/26(月) 14:00
カナロコ by 神奈川新聞

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