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「次の駅は、乗った駅」 【連載】鉄道なにコレ!?(第1回)

2019/8/27(火) 12:22配信

47NEWS

 電車に乗り込んで発車後、次に扉が開いたのは同じ駅だった―。そんな一風変わった電車が走っているのが大阪府北部の私鉄、能勢(のせ)電鉄の日生線だ。阪急電鉄宝塚線と接続する川西能勢口駅(兵庫県川西市)と日蓮宗の寺院・能勢妙見山の参拝者が妙見口(みょうけんぐち)駅(大阪府豊能町)をつなぐ本線の妙見線の途中駅、山下駅(川西市)で分岐する日生中央(にっせいちゅうおう)駅(兵庫県猪名川町)まで1駅、2・6キロの複線の路線が日生線だ。(共同通信社福岡支社編集部次長・大塚 圭一郎)

 ▽方向幕と反対方向へ

 川西能勢口で乗った妙見口行きの下り電車が山下駅の3号線(3番ホームのこと)に着くと、同じプラットホームの反対側の2番線に行き先の方向幕に「日生中央」と表示した2両編成の電車が待ち受けていた。

 妙見口行きの電車から降りた利用客を乗せた電車が出発すると、日生中央とは反対側の本線の川西能勢口方面へ向かっていく。初めて訪れた私は「あれ、日生中央行きじゃなかったっけ!?」と離れていく電車の方向幕を再確認した。確かに「日生中央」と表示されており、「方向幕が間違えている回送電車に、利用者が間違えて乗ってしまったのではないか!?」と邪推した。

 手に汗を握りながら電車の行方を見守ると、線路を渡るのに使う分岐器を通って妙見線の下り線に乗り入れて停車した。止まること1分余り、電車は折り返して山下の1号線ホームに進入し、停車した。妙見線の下り線で停車していたのは運転士が電車を停車させた後、反対側の乗務員室に乗り込んで反対方向へ出発させるスイッチバック運転のためだったのだ。

 山下の2号線で乗り込んだ利用客にとっては、出発の約3分後に再び扉が開くのはホームが違えども同じ駅という「なにコレ!?」な体験になる。

 1号線で停車後に扉が閉まった電車は、日生線を進んで終点の日生中央に到着する。方向幕に表示していた通りで、「看板に偽りなし」だ。

 ▽直通特急がきっかけに

 このような珍現象が起こるようになったのは、平日の朝と夕方のラッシュ時に日生中央と阪急電鉄の梅田を直通運転する特急「日生エクスプレス」が1997年11月に運転を始めたのがきっかけ。山下の1、2号線ホームに停車できるのは最長で4両編成だったが、8両編成の日生エクスプレスを導入するためホームを延伸して8両分まで止められるように改良した。

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最終更新:2019/8/27(火) 12:27
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