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鶏卵初の機能性表示食品 「伊勢の卵」で需要創出へ

8/27(火) 14:44配信

健康産業新聞

インタビュー:イセ食品取締役 蕨野 勉氏

 鶏卵生産大手のイセ食品(埼玉県鴻巣市)は7月、DHA・EPAを関与成分とした中性脂肪を下げる機能を持つたまご「伊勢の卵」を発売した。鶏卵初の機能性表示食品として、市場での注目度が一気に高まっている。同社取締役の蕨野勉氏に話を聞いた。

 国内鶏卵の相場が下落傾向にある。ここ数年、この時期は180円台で推移する相場が、今年6月には150円まで下落した。平均相場も同様に安値基調が続き、例年205円(Mサイズ)で推移していた相場が、昨年は180円まで下落に転じている。高値が続いた時期に生産者が飼育数を増やしたことによる需給バランスの崩れが背景にある。昨年は飼育数が1憶4,000万羽まで増加し、卵の生産量が急増した。いつも同じ低価格で購入できるEDLP商品も主流になりつつあり、鶏卵業界は厳しい状況が続いている。

 殻付き鶏卵は250万トンを超える供給量があり、そのうち加工食品が半分の割合を占めている。温泉卵やゆで卵、煮卵には根強い需要があるものの、昨年からの相場下落によって加工食品は家庭で調理する傾向に。卵豆腐や茶わん蒸しなどは現在、安売り合戦の様相を呈している。

 鶏卵商品の低価格化が進むなか、6個入り330円の機能性表示食品「伊勢の卵」を上市した。高付加価値の差別化商品として、「高い粗利も確保できる」と小売りサイドからも歓迎されている。すでに全国で5,000店舗の導入が確定しており、今後も順次導入店舗を拡大予定。“鶏卵初の機能性表示食品”としても注目度は高まっている。

 機能性関与成分はDHA・EPAで、普通卵の約3倍のDHAを含有するほか、普通卵では検出されないEPAを39mg含有している。「中性脂肪を下げる」を訴求した鶏卵はこれまで販売できなかったことや、畜産物は成分が安定しないとする見方もあっただけに、市場へのインパクトは強まっている。機能性の付与は競合他社に対するアドバンデージにもなった。

 また、機能性表示食品の受理によって販売戦略の幅が広がったことも大きい。ドラッグストアルートはこれまで、健康をイメージさせるPOP等での情報発信がメインだった。今後は機能性を打ち出した効果的なプロモーションも可能になる。今回の取得を皮切りに、コンビニルートへも積極的に注力していきたい。約55,000店舗あるコンビニルートは十分大きなマーケットをつくれる可能性がある。

 鶏卵業界発展のためには、鶏卵相場の安定化を図っていくことだと思う。消費者への安定供給や、生産者・製造企業の事業安定化にもつながることだ。また、卵の正しい知識の普及啓蒙を地道に続けることも必要になる。完全栄養食品である卵は健康長寿の源になることを啓蒙していきたい。

最終更新:8/27(火) 14:44
健康産業新聞

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