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諸鈍デイゴ治療続く 加計呂麻島「長い目で見守って」

8/27(火) 13:00配信

南海日日新聞

 鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島諸鈍のデイゴ並木について町側は8月、害虫被害などで衰えた樹勢を回復させる治療を始めた。10月上旬まで、土壌改良や薬剤散布、専門家による剪定作業などを行う予定。同事業を受託した(株)木風(東京都江東区、後藤瑞穂代表取締役)の樹木医片岡日出美さんは「3年ほどで効果が出てくると思う。長い目で回復を見守ってほしい」と話している。

 県の2019年度特定離島ふるさとおこし推進事業を活用し、事業費は約1570万円。治療は3工期に分かれ、26日は第2工期が始まった。樹木医でツリークライミングの指導者資格を持つ森広志さんらが樹木に登って作業。剪定(せんてい)と危険枝・腐朽部の除去、殺菌保護剤の塗布などを行った。

 同工期は9月1日までで、樹木の根に共生する菌を使った最新の治療も施す。第3工期は9月下旬から始まり、小型無人機による薬剤散布などを予定。剪定した枝を使った挿し木苗の育成にも取り組む。

 諸鈍のデイゴ並木は、最も古い木は樹齢300年余りといわれ、町文化財に指定されている。開花期の5月ごろには深紅の花が海岸線を染める観光名所としても知られる。

 2008年にデイゴに寄生する外来種の害虫デイゴヒメコバチによる被害が初確認され、衰弱や枯死などで85本あったデイゴは約60本まで減った。町は薬剤を根元にかける土壌かん注などの防除対策を進め、樹勢は徐々に回復しつつある。

 今回の治療には、害虫被害確認当初から治療に当たっていた樹木医前田芳之さん(故人)の次女で、町文化財保護審議員の亜蘭さんも参加している。亜蘭さんは「父は亡くなる直前まで諸鈍デイゴの事を気に掛けていた。思い入れがあった治療に関われてうれしい。この治療を足掛かりに、加計呂麻島全体、奄美大島側のデイゴも継続的に維持、管理できるようになれば」と期待を込めた。

奄美の南海日日新聞

最終更新:8/27(火) 13:00
南海日日新聞

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