リオ五輪での活躍、若手の台頭、そして日本初のプロリーグ「Tリーグ」の成功と明るい材料が目白押しのため、東京五輪への期待がかつてないほど高まっている卓球。
その選手選考における卓球ならではの複雑な戦略と、そこから見えてくるベストメンバーとは。そして、五輪のルールを変えてしまうほど強すぎる中国を日本が越える日は来るのか。
東京五輪の日本の卓球へ期待がかつてないほど高まっている。メダル獲得だけではなく、金メダルという声も聞かれる。
4年前のリオ五輪で日本の卓球は、男子団体で銀、女子団体と男子シングルスで銅(水谷隼)という過去最高の成績を収めた。五輪の個人種目のメダル獲得は日本卓球史上初で、男子についてはメダル獲得自体が初だったため、スケールの大きい男子の卓球が初めてテレビに大々的に取り上げられ、日本中に卓球フィーバーといってよい現象を生み出した。
その後も、男子では怪物・張本智和の登場、水谷隼の前人未到の全日本選手権V10、女子ではリオ五輪で補欠だった平野美宇のアジア選手権優勝、リオ五輪で活躍した伊藤美誠のジャパンオープン優勝、スウェーデンオープン優勝。そして昨年の日本初のプロリーグ「Tリーグ」開幕と、明るい材料が目白押しの日本の卓球である。
東京五輪の卓球は、男子団体、女子団体、男子シングルス、女子シングルス、そして新種目の混合ダブルスの5種目で競われる。日本選手の選考基準は明快で、男女とも2020年1月に発表される世界ランキングの上位2名がシングルスに出場し、その2名に日本卓球協会が決める1名を加えた3名が団体戦(4シングルス1ダブルス制)に出場する。そして団体戦に出る男女各3名の中から、混合ダブルスに出る1ペアを日本卓球協会が決めることになっている。
選手選考におけるひとつの注目点は、ダブルスのペアリングだ。ほとんどの攻撃選手は利き手の反対側で打つ「バックハンド」よりも、利き手側で打つ「フォアハンド」の方が威力も安定性もあるため、できるだけ多くのボールをフォアハンドで打つべくバック側に位置取る。そのため、同じ利き手どうしのペアは、位置取る領域が重なってしまい、互いによけながらプレーをしなくてはならない。これに対して右利きと左利きのペアなら、位置取る領域が重ならないので比較的楽にプレーができる。野球の右バッターと左バッターが左右のバッターボックスに入って交代で打つイメージだ。だからダブルスは右利きと左利きのペアが圧倒的に有利であり、その点を考慮して団体戦の3人目の選手を決める必要がある。
さらに、卓球独特の「カットマン」の存在も考慮しなければいけない。カットマンとは、卓球台から離れた場所に位置取って相手に先に攻撃させ、相手のボールの勢いが落ちたところでボールに「カット」と呼ばれる後退回転をかけて安全に返しつつ、相手の疲れや判断ミスによる得点を狙う守備型の選手だ。
カットマンは通常はカットマンどうしでダブルスを組む。カットマンが攻撃選手とダブルスを組むと大変なことになるからだ。
カットマンが放つボールは、相手に攻撃されることを前提にしている。卓球のダブルスは必ず交互に打たなくてはならないので、カットマンと組んだ攻撃選手は常に相手の先制攻撃を至近距離で受け止めることを強いられる。テニスのダブルスで前衛と後衛が必ず交互に打てと言われているようなもので、あまりに無謀なペアリングと言える。もちろん選手個々の実力が高ければ勝つこともあるし、奇策としての効果もあるがそれ以上のものではない。そのため、カットマンと攻撃選手のダブルスは極めて希だ。
日本卓球協会が、団体戦に出場する3人目と混合ダブルスのペアを世界ランキングによる自動決定にしていないのは、このような事情による。
最終更新:3/17(火) 14:19
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