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リサイクル率、たったの9%。岐路に立つプラスチック消費

8/28(水) 6:00配信

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分別のいらない画期的なリサイクル、IBMが開発

プラスチックリサイクルの課題は品質の劣化だ。混在した異物の除去がどうしても避けられず、洗浄などのプロセスで多大なコストがかかる。

リサイクルされたマテリアルはそもそも低品質で、ヴァージン素材と混ぜ合わせる必要がある。つまるところ、リサイクルだけでは実のある素材を得ることができていないということなのだ。品質が向上しなければ需要も生まれにくく、従って産業も活性化しない。

その負のスパイラルを一変させるかもしれないテクノロジが最近、IBMから発表された。

VolCatというプロセスである。従来のリサイクルプロセスは、分別→洗浄→異物除去→破砕→融解だが、VolCat(volatile catalystの略)は触媒反応を利用する。

分別されず洗浄もされないそのままのプラスチック製品を200度ほどに熱せされた圧力リアクターに入れ触媒を用いて分解、新しいプラ製品の材料としてそのまま製造工場に持ち込める物質を生成する。

汚れだけではなく、例えばポリエステルと綿の混紡素材でも、ポリエステルと綿に分解することができる。

Volcatが実用化すれば、大幅なコストカット、エネルギー節約になるだけではなく、分別の必要がなくなる。何でも一緒くたに捨てられる!と考えるのはよくないが、我々は元来面倒くさがりなのだということを、そろそろ認めなくてはならない。

プラスチック・エコノミー

2018年10月、インドネシアのバリ島で「New Plastics Economy Global Commitment」が開かれた。

循環経済を推進する英エレン・マッカーサー財団がローンチした国際会議で、エヴィアン、ロレアル、コカ・コーラ、ユニリーバ、ウォルマートなどグローバル企業11社が「2025年までに自社商品に使用する全パッケージを再利用、リサイクル、堆肥化可能な素材に変えることを表明している」と発表し、話題を呼んだ。

現在、「New Plastics Economy Global Commitment」の宣言に署名した企業・団体・組織は350以上にのぼる。

EU(欧州委員会)でも、2018年1月に「プラスチック戦略」を発表。2030年までにEU域内で使用される全プラスチック製の容器や包装材をリユースあるいはリサイクル可能素材に転換し、使い捨てプラスチックを削減することを盛り込んでいる。

リサイクル技術においては、IBMなどの大企業のみならず、スタートアップの参入も盛んだ。

特徴的なのは新鋭のイノベーターとビッグブランドが提携していることである。小回りの利くスタートアップと組むことで開発スピードを加速させるのが狙いだろう。

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最終更新:8/28(水) 6:00
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