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《ブラジル》商議所=シンポ=日メルコスルEPAへ要望続々=韓国勢、中国勢の攻勢激しく=官民一体で新政権との関係構築を

8/28(水) 6:14配信

ニッケイ新聞

 ブラジル日本商工会議所の総務委員会(讃井慎一委員長)と企画戦略委員会(大久保敦委員長)が主催する、2019年下半期の業種別部会長シンポが22日午後、サンパウロ市内のホテルで開催され、不透明な先行きの中にもいく分の好転要素が確認された。日本メルコスルEPA交渉開始を求める声が続々と上がり、出席した在ブラジル日本国大使館の濱坂隆参事官、塩野進書記官はともに「日本とのEPAの件、重く受け止めた。皆さまにとって望ましい形で進めていく」と応えていた。

 貿易部会の猪俣淳部会長は、下半期の焦点は税制改革や民営化推進に移ったとし、「大幅な景気回復は期待しにくい」「アルゼンチン大統領選、米中貿易戦争、ブレグジットなどを受け不透明感が高まった」と報告した。
 機械金属部会の山田佳宏部会長は「ESG投資(環境、社会、企業統治に配慮した企業を選別して行う投資のこと)、ICT(パソコンだけでなくスマホなど、色々な形状のコンピュータ情報処理や通信技術の総称)、AI(人口知能)の波はブラジルにも押し寄せている。現政権が自由貿易政策を推進することは確実で、それに伴いブラジルコスト削減や低生産性の改善も実行される流れにある。環境変化に応じたビジネスチャンスの模索を」と提言した。
 自動車部会の下村セルソ部会長は、上半期の四輪総市場は131万台で前年同期比12%増と報告し、「下半期はさらに消費が高まると予想される」と報告した。ただし、輸出主要国アルゼンチンの経済不況を受けて輸出は前年比マイナス38%となった。
 FTA交渉に関して、EU・メルコスル(以下Mと略、20・2兆ドル、8億人)は6月に貿易協定締結、カナダM(4・6兆ドル、3・2億人)は今年中に締結予想、韓国M(4・5兆ドル、3・4億人)は来年中に締結予想、米M(22・1兆ドル、5・9億人)は7月に協議開始との現状をのべ、「EUや韓国に劣らない内容の日M(7・9兆ドル、4・2億人)交渉開始を要望する」と強調した。
 電機・情報通信部会の小渕博部会長代理は、韓国Mが来年半ばに締結されればさらに勢いがつき、現在以上にLGやサムスンが安値攻勢をかけてシェアを上げる可能性があると指摘し、「日M促進が急務」と訴えた。中国のZTEがアルゼンチン・サンサルバドル市で市中監視システムを受注、ブラジルもファーウェイを5G入札から締め出さない方針であり、「中国・韓国勢のアグレッシブな動きに対抗するため、官民一体になった新政権との関係構築が望まれる」と要望した。
 最後に講評をした野口泰在サンパウロ日本国総領事は、ブラジルと共に中南米経済の両輪であるメキシコが左派政権となり、経済自由化の波が変わったことを受け、ブラジルへの期待感が高まっていると報告。ドリア・サンパウロ州知事は9月に訪日するとの予定を明らかにし、「なんとか日MのEPA進めていきたい」と語った。

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最終更新:8/28(水) 6:14
ニッケイ新聞

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