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<佐賀豪雨>油臭さ「もう住めない」住民ため息 大町町・佐賀鉄工所周辺

8/31(土) 10:45配信

佐賀新聞

 記録的な大雨で、冠水に加え、鉄工所から流れ出た油が一帯に広がった佐賀県杵島郡大町町の佐賀鉄工所大町工場の周辺地区では、30日になってようやく水が引き始め、住民が自宅で後片付けを始めた。部屋の壁などにしみ込み、鼻をつくにおいが残る家も。「もう住めないと思う」と深いため息も漏れた。

 「もう泣くだけ。めっちゃ油臭いし、冷蔵庫もテレビも、車も3台全部だめ」。下潟地区の福田宜子(のりこ)さん(61)は半分笑いながら途方に暮れた。28日夕方に町のボートに助け出され、この日初めて家に戻った。油のにおいが残っているうえ、庭がまだ冠水しているため「物が出せず片付けられない」とあきらめ顔。当面は江北町の実家に身を寄せて片付けに通うつもりだが「車は動かずレンタカーもない。笑ってるけどお先は真っ暗」と嘆いた。

 下潟や中島などの周辺地区では膝ぐらいまで水が残っている地域もあり、浮いている油を佐賀鉄工所の社員や自衛隊員が吸着マットで回収する中、自宅に戻った人たちが片付けていた。

 家への入り口を板でふさいで油の流入を防いでいた牛島幸雄さん(56)は「家の中はぐちゃぐちゃで油は簡単には取れない。とりあえず水で流し、洗剤で落としてみるが…。2階には住めるが風呂や炊事はできない。家族7人バラバラになるかも」と心配する。近くの水田にも油が流出しているとみられ、「土に油が残るかどうか。中和剤などで浄化できるか」と、家と農地の二重被害に表情を曇らせた。

 大黒町の女性は「何か臭いと思って起きたら台所に水が入ってきた」とにおいで浸水に気づいたことを思い出した。「部屋の中は油が残ってベロンベロンって感じ。水道管は破裂し、ドアも壊れている。もう住めないと思う」と肩を落とした。「町に住む所や仮設住宅のことを聞いてるけど、まだ分からないって」。「あーあっ」と深いため息をついた。

最終更新:9/1(日) 12:24
佐賀新聞

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