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“東京大氾濫“の危険も。江戸川区が「ここにいてはダメです」と水害ハザードマップで訴えたワケ

9/1(日) 12:22配信

ハフポスト日本版

防災の日の今日、改めて「命を守る」ことを考えよう。
「自分だけは大丈夫」と思わず、区民に防災を自分ごとに感じてもらうために行った、江戸川区の「ハザードマップ」への取り組みを、山下柚実さんがハフポスト日本版に寄稿した。

地球規模の温暖化によって以前は経験しなかったような大雨や河川の氾濫が頻発している。最近の台風はどうもこれまでと勝手が違う、凶暴性すら感じる、という人も多いのではないか。

例えば2018年の夏、200人以上の犠牲者を出した西日本豪雨では、10日間でなんと琵琶湖の水量の3倍もの雨が一気に降ったという。一瞬耳を疑うが、現実の出来事だ。

もはや気圧配置によって日本のどこを大雨が襲ってもおかしくはない時代が来ている。ゼロメートル地帯を含む首都圏においても「東京大氾濫」の危険性が指摘されている。


ところが、被害者になるまではどこか他人事で、「自分だけは大丈夫」と思ってしまう人が多数を占めるのも、また現実だ。

いったいどうしたら、「自分ごと」としてリアルな危機感を持つことができるのだろうか?

それは非常に高いハードルだろうか? あるいは思ったよりも平易に超えられることなのだろうか?

5月、江戸川区が発表したとたん、「ここにいてはダメです」という強烈なフレーズが大きな話題を集めた水害ハザードマップから考えてみたい。

小学生でもわかる言葉に置き換えたとたん大反響

行政が災害時に住民に避難を呼びかける際に用いられる「広域避難」という言葉がある。防災上は「住民が住んでいる市区町村の外に逃げる避難形態」(出典 朝日新聞掲載「キーワード」)と定義されるが、この言葉に馴染みがない、という人がほとんどではないだろうか。

最近、この言葉を巡ってある象徴的な出来事が起こった――。

「ここにいてはダメです」

5月20日、江戸川区が11年ぶりに改訂した水害ハザードマップの表紙中央に浮き上がる「ここにいてはダメです」のコピー。

“東京大氾濫“の危険も。江戸川区が「ここにいてはダメです」と水害ハザードマップで訴えたワケ
このハザードマップが配布されたとたん、ツイッターなどSNS上で「ここにいてはダメです」という言葉が拡散した。お役所「らしからぬ言葉」に大反響が集まったのだ。「よくぞ正直に隠さず言った」という賞賛の声、「行政の仕事の放棄では」という辛辣なコメント。さまざまな意見が飛び交った。

「小学生並みの言葉を使った完璧なハザードマップだと思う」

「忖度しても事実は変わらない。危ないとはっきり言ったハザードマップの意味は大きい」

「責任とりません宣言なのか」

「江戸川の不動産が値下がりしそう」

「逃げろと言うのはよいが、せめて他の市区町村と協定結で欲しい。受け入れ先がない」

「行政で対応出来ないなら、行政自体の存在価値はない」

さて、このハザードマップのページをめくると……荒川や江戸川など大河川の最下流に位置する江戸川区には「関東地方に降った雨の大半が集まる」とある。また、「区の陸域の7割がゼロメートル地帯」であると書かれている。だから、想定最大規模の巨大台風や大雨があれば「ほとんどの地域が浸水します」。墨田、江東、足立、葛飾を含む江東5区は浸水するので「とどまるのは危険です!」。

具体的、かつリアルで強い表現が印象的だ。

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最終更新:9/1(日) 15:39
ハフポスト日本版

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