ここから本文です

今も起きるヘイトデモ 防げないのはなぜ?  ヘイトスピーチ対策法3年、現状と課題(1)

2019/9/2(月) 6:42配信

47NEWS

 「不当な差別的言動は許されない」と明記し、国と自治体に対策を求めたヘイトスピーチ対策法が施行されてから、3年が経過した。条例制定などの動きが広がる一方、ヘイトデモや移民排斥を掲げる政治団体の街頭宣伝はいまだに横行し、インターネット上のヘイトも後を絶たない。3年間で何が変わり、何が変わらなかったのか。現状と課題を4回にまとめた。(共同通信ヘイト問題取材班)

 ▽ヘイトデモ規制に、必要な国の統一見解

 観光客でにぎわう京都市の繁華街で3月9日、異様な光景が展開されていた。「ごみはごみ箱に、朝鮮人は朝鮮半島に」。拡声器で叫びながら練り歩くたった1人の男性を、100人以上の警察官が取り囲むように付き添って歩く。周囲には「差別をやめろ」と抗議する大勢の市民が詰め掛けたが、警備に阻まれて近づけない。まるで警察がヘイトデモを守っているかのようだった。

 男性は2009年の京都朝鮮第一初級学校へのヘイトスピーチを巡り、威力業務妨害罪などで有罪判決を受けた。デモは事件から10年を「記念する」と銘打ったものだ。

 ヘイトスピーチ対策法は、自治体に「施策を講ずるよう努める」と求めている。京都市は昨年6月、ヘイトを未然に防ぐため、公共施設の貸し出しを不許可にできるガイドラインを定めた。しかし、この日のデモは止められなかった。

 差別に反対する市民団体は、ガイドラインを適用し、デモの出発地点である円山公園の使用を不許可にするよう市に求めた。しかし、ただの出発地点のため男性が市に使用申請する必要がなく、市は不許可にできない。

 市国際化推進室の森本幸孝課長は「デモの許可は京都府公安委員会が出しており、市として介入は難しい。解決策を見いだせていないという点では、行政にも責任はある」と述べた。その上で「集会やデモを規制するハードルは高い。啓発は自治体でやるが、規制には国が統一した見解を示してほしい」と国の取り組みを求めた。

 ▽自治体の取り組み進んでもなくならぬヘイト

 3年間で、こうしたガイドラインや条例を定める自治体は徐々に増加してきた。中でも香川県観音寺市は先進的だ。

1/2ページ

最終更新:2019/9/2(月) 9:35
47NEWS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ