ここから本文です

進歩する大腸がんの治療 手術後の5年生存率改善

9/2(月) 12:24配信

山陽新聞デジタル

 岡山市立市民病院(岡山市)の佃和憲外科部長が「大腸癌」について寄稿した。

     ◇

 「大腸癌(がん)」は結腸癌と直腸癌に分けられますが、合算した発生数(2016年、上皮内癌を除く)は15万8千人と悪性腫瘍の中で最多で、胃癌、肺癌、乳癌と続いています。男性と女性で分けた場合はそれぞれ3位、2位の発生数です。また、死亡者数(17年)は5万1千人と肺癌に次いで2番目に多くなっています。

 ■標準治療

 大腸癌は進行度によりステージ0~4に分けられ=表1、その治療法も治癒率も全く異なります。大腸癌研究会が、大腸癌治療を評価し治療ガイドラインを作成しています。

 ステージ0~3は手術による切除(ステージ0~1の一部は内視鏡による切除も可)、そのうちステージ3と再発の危険性の高いステージ2は術後に補助の薬物療法が適応です。ステージ4は大腸癌と転移巣がともに取り切れる場合は手術、それ以外では薬物療法や放射線などの治療が選択されます。

 大腸癌の治療は手術による切除が中心であり、取りきれないものや手術後の再発に対して、抗癌剤をはじめとした薬物治療が使われていると言えます。

 ガイドラインにおいて推奨される治療を標準治療といいます。持病や年齢などが原因で標準治療が行えない患者さんもおられますが、現在ある治療法のなかで最も生存の確率が高い証拠のあるものを標準治療といいます。

 ■手術治療

 大腸癌の手術はリンパ節を含めた腸管の切除です。最近では腹腔鏡(ふくくうきょう)手術が行われていますが、切除する大腸やリンパ節の範囲は開腹手術と同じです。小さい傷で同じ手術ができ、痛みが少なく、内臓に対する影響も少ないため手術からの回復が早く、現在では腹腔鏡手術が主軸となっています。

 ステージ4の中でも肝転移や肺転移は完全に取り切れる場合は手術が考慮されます。最近では、切除が困難な転移があっても、薬物治療で転移巣を縮小させると切除が可能となることがあり、「Conversion therapy(コンバージョン・セラピー)」と呼んでいます。薬物療法の進歩と相まって、増えることが期待されます。

1/2ページ

最終更新:9/2(月) 12:24
山陽新聞デジタル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事